シリーズ最大排気量となるキャバレロ スクランブラー700。ハイライトとなるのは、やはりテネレ700やMT-07にも搭載されているCP2エンジンを積んでいることだろう。圧縮比やギヤ比などもそのままで全く同じとのこと。エンジンのフィーリングに関しては中低速域のパルス感が強調されたテネレ700というよりは、吹け上がりのいいMT-07のエンジンフィーリングに近い印象を受けた。
おかげでこのキャバレロ スクランブラー700は、まずロードセクションが面白い。筆者は500、250、125とキャバレロ スクランブラーシリーズ全てに乗ったことがあるが、ギヤ比がややショート気味なのが気になっていた。これはおそらくオフロードセクションでパンチの効いた走行フィーリングにするための工夫で欠点ではないのだが、ロードセクションではちょっとシフトチェンジが煩雑になるところもあった。
ところが今回のキャバレロ スクランブラー700では、689ccと排気量になりかなり余裕ができたことで、低いギヤから高いギヤかけての繋がりがものすごくいい。特にワインディングで多用する2速、3速あたりのギヤでしっかりとした押し出し感が味わえるとともに、スロットル操作に対する反応も伸びやかで気持ちがいいのだ。
車体にも変なオフロードバイク感がないのがいい。フロントタイヤは19インチでロードバイクとしては大きめだがワインティングでも変な不安定感はなく、しっかり肩からコーナーに飛び込んでいくようなロードスポーツバイク的な走りが可能。今回の試乗では、高速道路での巡航走行テストが行えていないが、十分高速道路を快適に走れそうなことは十分感じ取れた。