トランプがいう可能性が高い「米兵の血が流れる。防衛してもらいたいなら、もっとお金をよこせ」ならまだ良いかもしれない。だが祖国防衛で女性兵士も死んでいるウクライナと違って、9条盲信で平和維持できると思い込む、自国の危機意識が殆どない日本。沖縄などの地方の反対意見が強過ぎるため、もう”どうぞご勝手に”という考えが、米側に広がっています。さらにトランプは台湾を守らないという発言もしました。「台湾有事は日本の有事」これは当たっていますが、その時、トランプ米国が動かなければどうなるか、私は考えたくもありません。

答えは一つではありませんが、戦争と原爆は悲惨で「絶対悪」だから反対・廃絶という考えで思考停止している日本人があまりにも多い。1960年、70年、集団的自衛権の時など、事実を知らない無知で感情的な反対運動はあったが、国防に関しては現実を見据えた真剣な議論そのものがタブー。「見ざる・言わざる・聞かざる」状態が過去80年近く続いてきたのです。

安倍氏が国会無視で押し切った集団的自衛権。世界の軍事同盟では例外なく当たり前のこと。有事の時は、お互いに血を流して守り合う。人類史上、それが軍事同盟で一丁目一番地です。日本だけ9条言い訳、基地提供で許されてきた。冷戦時代、世界の民主化に燃えていた米国、いまやイラク・アフガン戦争などの失敗もあり、余裕がなくなった。さらに自国第一主義の米国はもう許容できない可能性が高い。

ついでに言えば日本人がよくいう「専守防衛」。敬愛する専門家、渡部 恒雄氏が以前言ったように、「そんなものは日本だけ」。私が過去約40年言ってきたことです。日本のことに関する議論で、この言葉が出ることが例外的にあるが、ワシントン、国連、NATOなどでの、一般的な安全保障に関する議論に出ることはない。「専守」などどこで一線引くか分からないし、日本以外で意味がないからだ。だがその専守防衛で平和が維持できると思い込んでいる日本人が、いまだに多いのには驚きます。