チェーン本部の最も重要な仕事は「加盟店を儲けさせ続けること」

 一般的には「FCオーナーvs.本部」という対立構図の印象を持たれがちだが、それは事実に反すると同関係者はいう。加盟店が儲からなければFC本部の収入も減るため、本部は店舗側に対し各種サポートを行っている。水道光熱費の大部分を本部が負担することもあるという。

「水道光熱費を全額店舗負担としているチェーンもありますが、80%を本部で負担しているチェーンもあります」(同)

 ちなみにセブン-イレブンのサイトによれば、FC契約のタイプA(土地・建物をFCオーナーが用意)とタイプC(土地・建物を本部が用意)のいずれにおいても水道光熱費の8割を本部が負担している。そしてコンビニ各社の本部は、加盟店を儲けさせるべくさまざまな施策を行っている。

「商品廃棄を削減させるために、販売期間を延ばす技術革新を行ってきたほか、お客に商品を手前から取るよう働きかける『テマエドリ運動』などを本部は実施してきました。こうした施策はフードロス削減と共に店舗の負担軽減にもつながります。また、商品廃棄の金額に対して一定の比率を本部側で負担しているチェーンもあります。

 ゴミの廃棄も店舗側の大きな負担です。ゴミを減らすべくゴミ箱を店外から店内に移動する店舗レイアウト変更に伴い雑誌売り場のスペース削減なども行われていますが、これは本部が売上の一部を削ってでも店側の負担を軽減させることを優先した結果でしょう。こうした取り組みは本部のロイヤリティ収入減につながる難しい判断といえます。

 チェーン本部の最も重要な仕事は、『加盟店を儲けさせ続けること』に尽きます。加盟店の経営が安定して利益を上げ続けられなければ、加盟店の脱退が続きチェーンとして成り立たなくなります。その意味では『加盟店の繁栄なくして本部の繁栄なし』といえます」(同)