肯定的ダブルバインドを活用するときの注意点
肯定的ダブルバインドを意識することで自然と否定的ダブルバインドを防いだり、自分にとって望ましい結果を得たりできるでしょう。
しかし、肯定的ダブルバインドは万能ではありません。そもそも使うべきではないシーンもあります。肯定的ダブルバインドの注意点を3つ紹介するので、これらを意識して効果的に活用しましょう。
- 信頼関係が構築されていることが前提
- 選択肢を増やしすぎない
- 多用しない
信頼関係が構築されていることが前提
ある程度の信頼関係があってこそ、肯定的ダブルバインドは効果を発揮します。信頼関係がない相手に肯定的ダブルバインドを使うと、相手に不信感や動揺を与えてしまうかもしれません。
たとえば初対面でまだあまり話もしていない車のディーラーに、「色は赤と白どちらがいいですか?」と聞かれても、「まだ買うなんて一言も言ってないのに、なんで買う前提で話を進めてるんだろう」と思われてしまうでしょう。
選択肢を増やしすぎない
肯定的ダブルバインドではいくつかの具体的な選択肢を相手に提示しますが、選択肢を増やしすぎないよう気を付けましょう。選択肢が多すぎると相手が混乱してしまい、選ぶことに疲れてしまい、結局どれも選べないとなりかねません。
これを「ジャムの法則」といいます。スーパーマーケットでジャムの試食販売をするとき、6種類のジャムを置くのと24種類のジャムを置くのではどちらが試食・購入されるのかという実験に由来した法則です。この実験では6種類のジャムを置いた売り場の方が、24種類のジャムを置いた売り場の10倍の購入率だったといいます。
多用しない
肯定的であっても、ダブルバインドの多用は禁物です。相手に選択肢を提示する肯定的ダブルバインドを多用すると、相手に「常に選択を強いられる」という印象を与えかねません。相手との人間関係を円滑にするために使っていた肯定的ダブルバインドのせいで、相手との関係にヒビが入ってしまっては元も子もありません。
無意識にダブルバインドをしてしまわないよう気をつけよう
- 親子関係や上司と部下など、上下関係では否定的ダブルバインドに気を付けよう
- ダブルバインドへの理解を深めることで、人間関係を円滑にできる
- 肯定的ダブルバインドであっても多用は禁物
ダブルバインドには相手の自信を奪う「否定的ダブルバインド」と、人間関係を円滑にするために役立つ「肯定的ダブルバインド」があります。
親子関係や上司と部下など、上下がある関係では、否定的ダブルバインドが起こりやすいです。親や上司など上の立場にある人は、無意識に否定的ダブルバインドをしてしまわないよう気を付けましょう。肯定的ダブルバインドを意識することで、否定的ダブルバインドを自然に防げます。
ただし、肯定的であってもダブルバインドの多用は禁物です。肯定的ダブルバインドを多用することで、相手に常に選択を強いることになります。相手との関係性や頻度に気を付け、適度に活用するよう心がけましょう。