否定的ダブルバインドが起こりやすい環境・関係

否定的ダブルバインドは親子関係や学校、会社など、明確な上下関係で起こりやすいです。否定的ダブルバインドが起こりやすい3つの環境・関係性を、具体例付きで紹介します。

親子関係

親子関係では親がダブルバインドする側、子どもがされる側になりやすいです。具体的には次のようなケースが考えられます。


親子関係



  • 「好きな大学に進学していい」と言われて好きに大学を選んだのに、偏差値や学部などが親の基準に合わず「こっちの方がいいんじゃない?」「ここに進学するなら学費は出さない」などと言われる

  • テレビゲームで遊んでいたら「いつまでゲームをしているの!?」と、親から強い口調で言われた。言語では「何時くらいまでゲームをしているの?」という質問だが、態度で「ゲームをやめなさい」と言っている



学校

学校も親子関係と同じく、ダブルバインドが起こりやすいです。家庭や学校において子どもは弱い立場にあります。先生一人ひとりの性格や力量などにも差があり先生ごとに言うことが矛盾したり、同調圧力がかかったりと、ダブルバインドが起こりやすい環境といえます。

具体的には次のようなケースが考えられるでしょう。


学校



  • 「自分の意見を自由に表現しましょう」と言われて自由に表現したのに、指導要領に合わない意見だったため否定された

  • 楽しいと思う絵を描きましょうと言われて、自分が楽しかった思い出を描いたのに、「もっと楽しい絵を描きましょう」と言われた



子どもからすると、自分が思っているように表現しただけなので、何がいけなかったのか訳がわかりません。先生にも子どもにも悪気はないのに、ダブルバインドになってしまっているケースです。

職場

会社では上司と部下、先輩と後輩のような関係でダブルバインドが起こりやすいです。ひどいケースだとパワーハラスメントやモラルハラスメントになり、懲戒や訴訟にまで発展することもあり得ます。


職場



  • 上司に「わからないことがあったらいつでも聞いてね」と言われたのに、いざ聞きに行ったら「何でこんなこともわからないの?」「少しは自分で考えろ」と叱責された

  • 「自分で考えて行動しなさい」と上司に言われ続けてきたので、上司に相談せずに自力で対処していたら、「勝手な対応をするな!」と頭ごなしに怒られた