実際に箱根山地区を歩いてみた 途中で予想外のトラブルが……
まずは戦争遺跡・戸山ヶ原に佇む日本基督教団戸山教会から。この教会は陸軍戸山学校将校集会所跡でもあり、1950年に将校集会所として使用されていた建物を再利用する形で、上部にプロテスタント系の教会が建立された。
異質すぎる組み合わせがいかにも怪しげな雰囲気を漂わせている…。そのうえ、まだ日が完全に沈みきっていない時間であるにもかかわらず、周辺に人の姿はなく、「ポツリ…ポツリ…」と木の実が落ちるような音や鳥の鳴き声が響くのみ。一刻も早くこの場を立ち去りたい衝動に駆られ、建物に近づくことはおろか、この写真を撮影するので精一杯だった。
続いて、深夜に人の声が聞こえると噂の箱根山へ。実はハッテン場としても有名な場所らしく、前述した「深夜に男性の泣き叫ぶ声やうめき声が…」という話は、心霊現象などではなく、生きた人間によるものなのだろうな…と、正直拍子抜けしてしまった。
なかばガッカリした気分で記念に登頂から写真を一枚撮影したところ、予想外の出来事が起きた。バッテリーが十分に残っているにもかかわらず、シャッターを切った直後に本体の電源が落ちてしまったのだ。
さすがに嫌な予感がして無心で階段を駆け下りていると、不自然な一定の動きを繰り返す人影のようなものが目に入った。「終わった…」と覚悟を決めつつ、階段を下りきらないことには逃げることもできないので、影に向かって近づいていくと……。
ただの運動をしているおじいちゃんだった。肩を動かすために一所懸命腕を前後に振る姿が、この世の者ならざる異形の何かに見えてしまっただけだったのだ。ところが安堵したのも束の間、なんと今度は地面の一部がグラっと歪み始めるではないか!
先ほどすれ違ったばかりのおじいちゃんも驚いたであろう大声で「ぎゃああ!」と叫んでしまったのだが、よく見ると大きなヒキガエルが飛び跳ねているだけだった…。もう本当に勘弁してほしい。心霊的な怖さではまったくないのだが、すっかり疲れきってしまったため、敷地外を目指して歩く。