■最凶のサイコパスはどのようにして誕生したのか?

 イスラエルは1978年1月7日、ユタ州リッチモンドに誕生。9人兄弟という大家族に生まれた。両親は熱心なモルモン教徒で、子供たちもモルモン教を信仰。ほかの兄弟同様、公立校には通わずホームスクールで勉強をした。まだ彼が子供の頃、両親は子供たちを連れてワシントン州のスティーブンス郡に移住。そこでキリスト教をベースにした反ユダヤ人で人種差別的なカルト教会「The Ark」に浸かり、子供たちにも信仰するよう強制した。

 モルモン教を簡単に捨てた両親を見て育ったイスラエルは無神論者になった。また、キリスト教関係の宗教に強い憎しみを抱くようになり、背中に悪魔の紋章であるペンタグラムの印、左胸には逆さ十字を入れた。全米の教会に放火する計画をたてていた時期もあった程神を嫌うようになっていた。FBIの取り調べでイスラエルは、「自分がこういう人間になったのは、宗教が大きく関係している」と語っている。

 ちなみに、スティーブンス郡で家族は近くに住む同じ大家族のケホー家と交流をもった。この一家の息子シボレーは、後に白人至上主義者となり3人を殺害した罪で終身刑に、ほかの家族も様々な犯罪に手を染め「悪名高きケホー家」と呼ばれるようになっている。

 兄弟が多い中、イスラエルは目立たないコツを身につけた。普通なら、親の気を引こうと必死になるものだが、イスラエルは気づいてもらえないことに快感を感じた。そんなイスラエルが自分が他の人間と違うと知ったのは14歳の時。ゴミを荒らす猫を、友人たちと森に連れて行き、首輪に縄をつけて木に縛り、罰として拳銃で猫の腹を撃ったのだ。猫はもがき苦しみ暴れ、大量の血と内臓を出しながら木の周りをぐるぐる回り、木に突撃して絶命。この時のことを、イスラエルは調査で、「死ぬまでの姿がおもしろくてニヤニヤしていたら、後ろで嘔吐する音が聞こえ、振り返ると一緒にいた子たちは真っ青な顔をしていた」「こんなに楽しいことなのに、普通の人間にとってはトラウマ的なことなんだな。自分は他の人間とは違う。本当の自分は隠さないといけないと思った」と回想している。

究極のサイコパス…いまだ殺人件数不明の連続殺人鬼イスラエル・キースの異常性
(画像=Iván TamásによるPixabayからの画像,『TOCANA』より 引用)