みずほ証券などの対面証券は、ネット証券に比べて手数料で不利なイメージがあるかもしれないが、つみたてNISAの投資信託の購入手数料は無料である。適切な商品を選べば、人によってはメリットのほうが大きいだろう。みずほ証券でつみたてNISAを始めるメリットを紹介しよう。

目次
1.みずほ証券のつみたてNISAの基本情報
2.みずほ証券のつみたてNISAのメリットとデメリット
3.みずほ証券のつみたてNISAの対象3商品の特徴
4.みずほ証券のつみたてNISAの注意点は分配金の取り扱い
5.みずほ証券のつみたてNISAの口座開設には積立サービスの申し込みも必要
6.みずほ証券のつみたてNISAはどんな人におすすめか

1.みずほ証券のつみたてNISA(積立NISA)の基本情報

みずほ証券は、みずほフィナンシャルグループの証券会社である。みずほ銀行やみずほ信託銀行と連携して幅広い金融ニーズに対応できる。国内拠点数は240ヵ所と証券会社として拠点数No.1だ。

みずほ証券のつみたてNISAの基本情報を確認してみよう。

みずほ証券 つみたてNISA基本情報
取扱商品数 投資信託3本
最低積立金額 1,000円
積立頻度 毎月
引き落とし口座 金融機関の預貯金口座
サポートの特徴 土曜日も問い合わせ可能なNISA専用ダイヤル
※筆者作成

 

みずほ証券のつみたてNISAの特徴は、厳選された3本のみを商品としたラインアップと土曜日も問い合わせ可能なNISA専用ダイヤルがあることだ。

2.みずほ証券のつみたてNISA(積立NISA)のメリットとデメリット

みずほ証券のつみたてNISAを利用するならメリットとデメリットを把握しておこう。主なメリットとデメリットは1つずつ挙げられる。

メリット……土曜日も問い合わせ可能なNISA専用ダイヤル

みずほ証券のNISA専用ダイヤルは平日8:30~19:00に加えて土曜日9:00~17:00も問い合わせ可能である。平日は仕事などで時間が取れない人にとって、土曜日も電話がかけられるのはメリットだ。

NISA専用ダイヤルはオペレーターに直接つながる。音声ガイダンスを聞いてからの番号操作が不要であり、手間がかからないところもうれしい。

みずほ証券のサポートはHDI–Japan主催の2020年格付けにて「問合せ窓口格付け」は5年連続、「Webサポート格付け」は4年連続で「三つ星」を獲得している。品質は折り紙付きなので、安心して利用できるだろう。

デメリット……3本の商品では資産配分の自由度が低い

みずほ証券のつみたてNISAの対象商品は、以下の3本に限られる。

  • 日経平均株価のインデックスファンド
  • 全世界株式(日本を除く)のインデックスファンド
  • 8資産のバランスファンド

つみたてNISAのポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)はこの3本のみで構成するため、資産配分の自由度が低くなってしまう。例えば、資産配分のうち先進国株式の比率を上げて新興国株式の比率を下げるといったことは難しい。

この3商品を組み合わせて自分の投資スタイルに適した資産配分に可能な人なら問題ないが、資産配分の調整を妥協する可能性があることは理解しておきたい。

ただし、資産配分の自由度が低いぶん、逆に初心者にとっては商品を選びやすいメリットにもなると考えられる。

3.みずほ証券のつみたてNISA(積立NISA)の対象3商品の特徴

みずほ証券のつみたてNISAの対象商品は3本に厳選されている。商品をよく理解してからポートフォリオを決定したい。3本の商品を確認しよう。(※データは2021年1月6日時点)

国内株式インデックスファンド……たわらノーロード 日経225

「たわらノーロード 日経225」は日経平均株価(日経225)の値動きへの連動をめざし、日経平均株価を構成する国内225社の株式へ投資する投資信託だ。

つみたてNISAの対象商品のため購入手数料は無料であり、換金(売却)時の手数料である信託財産留保額も無料だ。

投資信託の保有中の手数料である信託報酬の年0.187%(税込)は日経225のインデックスファンドとして最低水準に近い値である。

人気がある投資信託は資金流入により投資信託の規模を表す純資産総額が増加する傾向である。純資産総額が1年間で70%ほど増えた人気の投資信託だ。

全世界株式(除く日本)インデックスファンド……野村つみたて外国株投信

野村つみたて外国株投信は先進国(日本を除く)と新興国の株式に投資する投資信託だ。投資対象の国は多いものの国別の資産構成ではアメリカ株式が6割超を占めている。

換金時の信託財産留保額は無料だ。信託報酬は年0.209%(税込)であり、同類の投資信託の最低水準0.1%程度と比べると若干高めだ。ただし、インデックス型投資信託全体では低い部類に入るだろう。

純資産総額は2017年の運用開始から増加傾向であり200億円ほどまで増えている。人気の投資信託といえよう。

バランスファンド……たわらノーロード バランス(8資産均等型)

たわらノーロード バランス(8資産均等型)は、国内・先進国・新興国の株式と債券の6資産に国内・先進国のリート(不動産投資信託)を加えた計8資産に均等に投資する商品だ。

みずほ証券のつみたてNISA対象の3商品のなかでは最も構成資産が多く、ひとつの商品で多くの資産への分散投資できる。この商品も換金時の信託財産留保額は無料だ。

信託報酬はバランスファンドとして最低水準の年0.154%(税込)であり、低コストで分散投資が可能だ。信託報酬は1年で2倍以上と上昇している人気の投資信託である。

4.みずほ証券のつみたてNISA(積立NISA)の注意点

みずほ証券のつみたてNISAでは投資信託の分配金は再投資を選べない。分配金は受け取るのみである。

つみたてNISAで投資した資産の一部を分配金として受け取ると、利益がさらに利益を生む複利効果を最大限活かせない。

複利の効果を最大限活かすには分配金が支払われない投資信託を選びたい。分配金が支払われなければ投資信託の運用により得た利益は投資にまわり、複利効果を得ることになる。

ただし、みずほ証券のつみたてNISAの3商品は過去の分配金の支払い実績は0円だ。今後商品が追加される場合はどうなるかわからないが、今のところ分配金の支払いを気にする必要はないだろう。

5.みずほ証券のつみたてNISA(積立NISA)の口座開設には積立サービスの申し込みも必要

みずほ証券のつみたてNISAの口座開設方法を確認していこう。みずほ証券では口座開設申込と投資信託つみたてサービス申込の2ステップが必要だ。

ステップ1……証券口座をもっていなければ証券口座とつみたてNISA(積立NISA)口座を申し込む

みずほ証券の証券総合取引口座を持っていない場合は、証券総合取引口座の開設と一緒につみたてNISA口座を申し込む。証券総合取引口座はパソコンまたはスマホで開設が申し込める。

みずほ証券の証券総合取引口座をもっている場合は「つみたてNISA申込書」を請求し、記入したあとに本人確認書類と一緒に提出する。

つみたてNISA口座は申し込みから開設まで1~2週間程度かかる。

ステップ2……投資信託つみたてサービスを申し込む

みずほ証券のつみたてNISAを利用するには投資信託つみたてサービス「みずほdeつみたて バランスくん」を申し込む必要がある。

申込方法は「みずほdeつみたて バランスくん申込書」と「金融機関からの自動引落申込書」を記入して提出する。

投資信託つみたてサービスの申し込みから初回引き落としまでは2~3ヵ月かかるためスケジュールを確認しておこう。ゆうちょ銀行からの引き落としの場合は投資信託つみたてサービス申込月の翌々月に初回引き落としと買い付けが行われる。

ゆうちょ銀行以外の金融機関からの引き落としの場合は、月の前半(15日まで)に投資信託つみたてサービスを申し込むと、申込月の翌々月に初回引き落としと買い付けが行われる。月の後半(16日以降)に投資信託つみたてサービスを申し込むと、申込月の3ヵ月後に初回引き落としと買い付けが行われる。

このスケジュールはみずほ証券ホームページのつみたてNISAの「お申込方法」のページに記載がある。投資信託つみたてサービスを申し込むときにスケジュールを確認しておくとよいだろう。

6.みずほ証券のつみたてNISA(積立NISA)はどんな人におすすめか

みずほ証券のつみたてNISAは土曜日も問い合わせ可能なNISA専用ダイヤルがある。平日NISAの問い合わせの時間の確保が難しい人や、直接オペレーターと話したい人におすすめだ。

厳選された3本の投資信託は、商品選びに自信がない初心者にとってはメリットになるだろう。国内株式、日本を除く全世界株式、バランス型とスタンダードな商品が揃っており、低コストで長期投資にも適しているラインナップだ。

 

松本雄一
執筆・松本雄一
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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