MAツールを導入するデメリットや注意点
MAツールはたしかに便利なツールですが、導入・運用や従業員教育にかかるコスト、効果が出るまでにかかる時間など、デメリットや注意点もあります。
ここではMAツールの導入で失敗しないために、事前に知っておくべき注意点を3つ紹介します。
注意点1.導入・運用にコストがかかる
多くの場合、MAツールの運用には月額数万円から数十万円の利用料金がかかります。導入費用として数十万円から数百万円程度の初期投資が必要となるケースも少なくありません。
導入・運用コストは、MAツールの機能や規模、導入する企業の規模によって大きく異なります。多額の費用がかかるため、ツールが合わなかったからといって、気軽に乗り換えることもできません。自社のニーズに合うツールを選ぶことが重要です。
注意点2.従業員の教育にコストがかかる
MAツールを導入しても、従業員が使いこなせなければ、大きな効果は得られません。従業員がMAツールを使いこなせるよう、操作方法や運用ルールに関する教育を行う必要があります
従業員の教育には時間はもちろん、研修時に費用がかかることもあります。最初は専門家と一緒に構築しながら研修してもらうなど事前に計画を立て、効果的な教育方法を選択することが重要です。
デメリット3.効果が出るまで時間がかかる
MAツールは、導入後すぐに効果が出る魔法のツールではありません。データ分析に基づいて効果的な施策を実行し、施策や運用ルールを見直していくことで、少しずつ効果が大きくなっていきます。
効果が出るまでの期間は、企業の状況やMAツールの使い方によって異なります。 短期的な成果を期待するのではなく、中長期的な視点で導入を検討すること、計画を立てることが重要です。
MAツールの比較ポイント
市場には数多くのMAツールが存在し、それぞれ機能や料金、対応チャネルなどが異なります。最適なツールを選ぶためには、自社のニーズと各ツールの特徴をしっかり把握し、比較・検討しなければなりません。
MAツール選びの失敗を防ぐための、6つの比較ポイントを紹介します。
- ポイント1.機能
- ポイント2.料金の金額・形態
- ポイント3.対応した施策・チャネル
- ポイント4.連携できるツール
- ポイント5.サポート体制
- ポイント6.セキュリティ
ポイント1.機能
MAツールを比較する際、最も重要なのが「機能」です。自社に必要な機能が備わっているツールであることはもちろん、自社にとって不要な機能が少ないツールを選びましょう。必要以上の機能が含まれている場合、操作やメニュー画面が複雑で使いづらくなる、料金が高くなるなどの恐れがあります。
機能が多いほど良いわけではありません。自社のニーズに合う、機能の過不足がないツールを選びましょう。
ポイント2.料金の金額・形態
MAツールを選ぶときは、料金の金額だけでなく「形態」にも注目しましょう。
MAツールの料金形態は、主に月額制と買い切り制の2種類です。月額制は初期費用が不要もしくは割安で、月額料金を支払うことで利用できます。ユーザー数や機能数によって料金プランが変わることが多いです。
買い切り制は初期費用こそ高額なものの、一度購入してしまえば利用料を支払うことなくずっと利用できます。ただし、バージョンアップや保守などのサポートを受けられないこともあります。
料金プランはユーザー数や機能数、サポート内容などによって異なります。 ユーザー数や必要な機能、トラブルや疑問が生じたときに自社だけで対応できるかなど、さまざまな要素を俯瞰し自社のニーズと予算に合ったプランを選びましょう。
ポイント3.対応した施策・チャネル
MAツールはメールやSNS、自社HPなど、さまざまなマーケティング施策とチャネルに対応しています。導入候補のMAツールが、自社で使っているチャネルや実施したい施策に対応しているかどうかを確認しましょう。
たとえばBtoB企業の場合、ステップメールの配信やリード管理、見込み客や施策の分析などの機能が充実しているツールがおすすめです。ECサイトの場合、Web行動分析やCRM連携などの機能が特に重要になります。
ポイント4.連携できるツール
自社で使っているツール、これから導入するツールとMAツールを連携させられるのかも確認しましょう。
現代のマーケティング活動では、CRM/SFAやメール、SNSなど、複数のツールやプラットフォームを組み合わせて活用するのが一般的です。そのため、MAツールがほかのマーケティングツールやシステムとスムーズに連携できるかどうかを確認することが重要です。連携がスムーズであれば、異なるツール間でデータや情報を共有し、マーケティング戦略を効果的に展開できます。
特にMAツールとSFAの連携は重要で、MAツールからSFAに、タイムラグなく情報や通知を送れなければなりません。タイムラグがあると営業部門への送客が遅れ、アプローチのタイミングも遅れます。わずか数分の遅れにより、決裁者がつかまらなくなったり見込み客の関心が下がってしまったりということも珍しくありません。
ポイント5.サポート体制
MAツールのスムーズな導入・運用には、ベンダーによるサポートが重要です。運用体制の構築やツールの設定などの導入サポートはもちろん、導入後に問題やわからないことが生じた際に、ベンダーがスピーディに対応してくれるかを確認しましょう。
サポートの内容はもちろん、問い合わせの手段(メール・電話・チャットなど)や窓口の対応時間などを確認することで、安心して利用できるツールを選べます。公式サイトだけでなく、SNSや口コミサイトもチェックし、客観的な評判を確認することが大切です。
ポイント6.セキュリティ
MAツールは企業の機密情報や顧客データなど、重要な情報を扱うツールです。セキュリティ対策が十分であるか、ベンダーは信頼できる企業なのかを確認する必要があります。
MAツールがどのようにデータを保護し、プライバシーを守っているのか、具体的なセキュリティ対策やセキュリティ関連の認証を確認しましょう。また、データのバックアップや復元手順、セキュリティポリシーなども重要です。自社のセキュリティ基準に適合し、信頼性の高いMAツールを選ぶことで、情報漏えいやセキュリティ侵害のリスクを最小限に抑えられます。