エグゼクティブサーチファームを利用するデメリットや注意点
エグゼクティブサーチは一般的な採用手法と比べて、コストも手間もかかる方法です。ファームを利用したからといって、すぐに理想的な人材が見つかるとは限りません。エグゼクティブサーチファームを利用するデメリットや注意点を3つ紹介します。
費用が割高
エグゼクティブサーチを利用する1つ目の注意点は、「費用が割高」なことです。
エグゼクティブサーチファームは独自のネットワークやノウハウを活用し、クライアント企業にマッチする人材を探し出します。依頼から採用までに1年以上かかることも珍しくありません。
サービスの専門性が高く、時間も労力もかかるため、一般的な人材紹介サービスよりも大きな費用がかかります。中小企業や予算が限られている企業にとっては、費用の負担が大きくなりがちです。
エグゼクティブサーチを使って採用を実施した際のメリットや、リターンなどを考えたうえで利用を検討するようにしてください。
利用しても採用まで時間がかかることもある
エグゼクティブサーチを利用する2つ目の注意点は、「利用しても採用まで時間がかかることもある」ことです。
引く手数多の優れた人材、在職中の高度な人材を探し出し、採用するには時間がかかります。候補者との交渉はもちろん、前職の企業での引継ぎや手続きにも時間がかかり、採用までに1年以上かかることもあります。
エグゼクティブサーチでは採用までにかかる時間と労力、コストが大きいです。余裕を持った計画と慎重な判断が必要です。
ファームごとに得意・不得意がある
エグゼクティブサーチを利用する3つ目の注意点は、「ファームごとに得意・不得意がある」ことです。
エグゼクティブサーチファームには、それぞれ得意・不得意があります。特定の業界や職種、ポジションに特化したファームもあれば、幅広い分野に対応するファームもあります。
エグゼクティブサーチでは自社にマッチする人材を慎重に選ぶことが大切ですが、人材を探してくれるファームもまた、慎重に選ばなければなりません。
自社のニーズや採用するポジションに適したファームを選ぶこと、そのために、実績や評判などから各ファームの適性を調べることが重要です。
エグゼクティブサーチの流れ
エグゼクティブサーチの流れは大きく次の9ステップに分けられます。それぞれ何をするのか、どのようなことに気をつければいいのかを紹介します。
- 採用する人材像を明確にする
- 採用手法を検討する
- 自社に合うエグゼクティブサーチファームを探す
- ファーム担当者との打ち合わせ
- ファームによるリサーチとリスト提出
- ファームによる候補者へのアプローチ
- ファーム・候補者・自社での3者面談
- 内定と入社までのフォロー
- 入社後のフォロー
採用する人材像を明確にする
エグゼクティブサーチの最初のステップは、「採用する人材像を明確にする」ことです。
採用するポジションに求められるスキルや経験、資質などを具体的に定義し、理想の候補者像を明確にしましょう。これにより、エグゼクティブサーチファームに自社の要望を正確に伝え、適切な候補者を探してもらえます。
最適な候補者を見つけ出すための基盤づくり、エグゼクティブサーチファームとの共通認識づくりともいえるステップです。
採用手法を検討する
エグゼクティブサーチの2つ目のステップは、「採用手法を検討する」ことです。
そもそもエグゼクティブサーチを利用するかどうか、利用する場合はファームのタイプ(成果報酬型か、リテーナーサーチ型か)を考えます。
自社でエグゼクティブ候補を探したときにかかるコストや、エグゼクティブの採用をした際に得られるメリットなどを検討すると、採用にかけられる予算が明確になるでしょう。
リテーナーサーチ型の方がコストはかかりますが、自社にマッチする人材を確実に、根気強く探してもらえるでしょう。
自社に合うエグゼクティブサーチファームを探す
エグゼクティブサーチの3つ目のステップは、「自社に合うエグゼクティブサーチファームを探す」ことです。
先述のとおり、エグゼクティブサーチファームには得意・不得意があります。業界やポジションに関するファームごとの専門性や実績、サービス提供のスタイル、料金体系などを調べましょう。
適切なファームを選ぶことで、採用の費用対効果を高められます。経営層の採用ともなれば、どのような人材を採用したかが、その後の業績や成長にも大きく関わってくるでしょう。
エグゼクティブサーチファームは自社の将来を左右するパートナーといえます。なるべく多くのファームについて情報を集め、問い合わせや打ち合わせを通じ、自社の要件に最も適したパートナーを選びましょう。
ファーム担当者との打ち合わせ
エグゼクティブサーチの4つ目のステップは、「ファーム担当者との打ち合わせ」です。
この打ち合わせでは、自社の採用ニーズや候補者の要件について詳細に伝えます。ファームの担当者はクライアント企業が求める人材像やポジションの特性を把握し、それに基づいて採用戦略を立案します。
初回から綿密なコミュニケーションを取ることで、採用のミスマッチを防ぎ、サービスの費用対効果を高められるでしょう。
ファームによるリサーチとリスト提出
エグゼクティブサーチの5つ目のステップは、「ファームによるリサーチとリスト提出」です。
エグゼクティブサーチファームは自社のネットワークやデータベースを活用して、人材をリサーチします。人材の経歴や能力、適合度などから候補者を絞り込み、クライアント企業にリストとして提出します。
リストが提出されたら内容を確認し、面談や評価の準備を進めましょう。
ファームによる候補者へのアプローチ
エグゼクティブサーチの6つ目のステップは、「ファームによる候補者へのアプローチ」です。
エグゼクティブサーチファームは提出した候補者リストに基づき、候補者へアプローチします。候補者とのコンタクトを取り、ポジションの詳細や企業の魅力などを伝えます。
ファームはアプローチへの反応を踏まえ、候補者の興味関心や適合度を確認、確度の高い候補者をさらに詳しく調査します。
ファーム・候補者・自社での3者面談
エグゼクティブサーチの7つ目のステップは、「ファーム・候補者・自社での3者面談」です。
この面談では候補者のスキルや経験、企業の文化や価値観などについて確認し、詳細な条件をすり合わせていきます。候補者の意向や希望を理解し、採用の可能性を探ることが大切です。
内定と入社までのフォロー
エグゼクティブサーチの8つ目のステップは、「内定と入社までのフォロー」です。
候補者が内定を受け入れた場合、エグゼクティブサーチファームは内定から入社までのフォローを行います。候補者との連絡を保ち、自社への入社準備や前職の引継ぎなどをサポートします。
これにより候補者の満足度・納得度が高くなり、「内定から入社までがスムーズになる」「モチベーションを維持したまま入社してもらえる」などの効果が期待できるでしょう。
入社後のフォロー
エグゼクティブサーチの9つ目のステップは、「入社後のフォロー」です。
エグゼクティブサーチファームによっては、入社後のフォローも提供してくれます。入社後の調整、人材と企業との間のコミュニケーションのサポートなどを提供し、採用後に活躍できる環境を整えましょう。