やる気と集中力を維持する8つの方法
やる気や集中力には波があり、これらを維持する工夫が大切です。やる気と集中力を維持する方法を8つ紹介します。これらの方法は組み合わせることで効果が高くなります。やりやすいものから始めて、最終的にはできればすべて取り入れましょう。
- 最低限やる3~5のことを、前日のうちに決めておく
- こまめに休憩を取る
- 休憩中は休憩に集中する
- 作業用BGMを固定する
- 仕事や勉強をする場所では、それ以外のことをしない
- 作業スペースに余計な物を置かない
- 水をたくさん飲む
- 立って仕事や勉強をする
最低限やる3~5のことを、前日のうちに決めておく
最低限やるべきこと、やりたいことを3~5個、前日のうちに決めておきましょう。前日の夕方から夜のうちに、順番も含めて決めておくことで、翌日行動を起こすときの「迷い」がなくなります。何をすればいいか考える必要がないため、すぐに行動に移せるわけです。
やることリストが多すぎるとやる気が削がれる
「翌日やることリスト」は3~5個にとどめておきましょう。時間がかかりそうなことをやるなら、1個だけでも構いません。
やることリストが多すぎると、「こんなにたくさんできるわけない」とやる気が削がれます。「全部できなかったらどうしよう」と怖くなり、恐怖でパフォーマンスが落ちることもあります。
やることリストを消化して時間が余ったら、プラスアルファで別のことをすればいいのです。
所要時間は予想の2倍で見積もる
「翌日にやることリスト」を作るときは所要時間も考えましょう。たとえば勉強や仕事を7時間やるつもりなら、7時間以内に余裕を持って終わらせられることだけをリスト化するのです。
ここで大切なのが、所要時間を予想の2倍で見積もることです。人間には自分の能力を過大評価し、所要時間を少なく見積もる傾向があります。途中でトラブルが起こり、思い通りに作業を進められないこともあるでしょう。
余裕を持って2倍の時間を見積もることで、やることリストをより確実に消化できます。やることリストを消化できずに1日を終えると「自分はできないんだ」と感じ、自己効力感とやる気が下がってしまいます。
こまめに休憩を取る
勉強や仕事を続けていると、気持ちがノってくることがあります。しかし、どんなにノっていても、休憩はこまめに取りましょう。
一度蓄積した疲労はなかなか取れません。「疲れていない」「まだいける」と思えるうちに休憩を取り、疲労をそもそも溜めないことが大切です。疲労が溜まると生産性もやる気も下がってしまいます。
休憩時間をあらかじめ決めておき、時間がきたらどんなにノっていても休憩しましょう。「1時間がんばったら15分休憩する」のようなサイクルを決め、アラームをかけるのもおすすめです。
集中と休憩のサイクルをつくるときには「カウントダウンタイマー」などを活用するのもおすすめです。集中する時間と休憩する時間はもちろん、サイクル数も自由に設定できます。残りの集中時間がどのくらいか視覚的にわかるので、「これだけがんばろう!」とやる気も出やすいです。
ポモドーロテクニック
集中と休憩のサイクルで有名なのが「ポモドーロテクニック」です。「25分集中したら5分休憩」のサイクルをくり返すテクニックで、細かく休憩を取りながら少しずつ作業を進めていけます。長く集中できない人、気が散りやすい人におすすめのサイクルです。
ウルトラディアンリズム
ウルトラディアンリズムは「90分集中して15~20分休憩する」というサイクルです。人間の体内時計には90分周期のリズムがあり、たとえば睡眠も、90分周期で浅い眠りと深い眠りをくり返しています。
ウルトラディアンリズムはヴァイオリニストの練習にも使われているサイクルで、90分が一度にまとめて練習する時間だというヴァイオリニストが多いといわれています。
「ポモドーロテクニックは気持ちがノってきた頃に毎回手を止めなければならず合わない」「5分の休憩は短すぎ」という人におすすめです。
休憩中は休憩に集中する
こまめに休憩を取ることと同じくらい大切なのが、休憩中は休憩に集中することです。休憩中はとにかく心身を休ませることに集中しましょう。スマートフォンをいじったり漫画を読んだりしてはいけません。作業用BGMをかけているなら、それも止めた方がいいでしょう。
勉強や仕事をしている間、私たちの脳には膨大な量の情報が流れ込んでいます。スマートフォンをいじったり漫画を読んだり、音楽を聴いていたりしては、休憩中も脳に情報が流れ込んでしまいます。
横になって目を閉じる
休憩中は最低でも目を閉じ、BGMを消し、できれば横になりましょう。目を閉じBGMを消すことで、情報をシャットアウトするのです。これにより脳が回復します。
ちなみに、20分以内の短い昼寝は「パワーナップ」と呼ばれ、高い回復効果を得られることがわかっています。パワーナップを取り入れる企業、一流のパフォーマーも多いです。眠れなくても、横になって目を閉じているだけでも効果があるので、さっそく試してみましょう。
疲労回復には片鼻呼吸がおすすめ
パワーナップと同じくおすすめなのが「片鼻呼吸」です。次の流れで、片鼻ずつ息を吸って吐く呼吸法です。
- 右の鼻の穴を押さえ、左の鼻の穴から息を吸う
- 1秒間息を止める
- 右の鼻の穴を開け、左の鼻の穴を押さえ、右の鼻の穴から息を吐く
- 左の鼻の穴を押さえたまま、右の鼻の穴から息を吸う
- 1秒間息を止める
- 左の鼻の穴を開け、右の鼻の穴を押さえ、左の鼻の穴から息を吐く
これを1分~5分ほどくり返しましょう。集中力が高まり、眠気や脳の疲労が軽くなる効果があります。
作業用BGMを固定する
勉強や仕事をするときに作業用BGMを流しているなら、作業用BGMは毎回同じものにしましょう。いわゆるパブロフの犬を活用するためで、そのBGMを聴いたら自動的に勉強・仕事モードになるよう、自分を調教するのです。
作業用BGMはピアノやクラシックなどの歌詞がない音楽、波の音や焚き火の音のような環境音がおすすめです。歌詞が入っている音楽やゲーム実況などの「言葉が入った音声」だと、脳が耳から入ってくる言葉を理解しようとするため、頭が疲れてしまいます。
ただ、「一人で作業するのは孤独だから、人の声を聴いていたい」という人もいるでしょう。個人差はありますが、自分と相性のいい「作業の邪魔にならない声」なら、作業用BGMにできることもあります。
仕事や勉強をする場所では、それ以外のことをしない
勉強や仕事をする場所では、それ以外のことをしないようにしましょう。たとえば勉強机で漫画を読む、仕事で使うPCでゲームをするなどです。
人間の脳は「ここは仕事をする場所、ここは食事をする場所、ここは眠る場所」のように、どの場所で何をするかを覚えています。
仕事をする場所でゲームをしたり漫画を読んだりすると、「ここは仕事をする場所のはずなのに」と、脳が混乱してしまいます。脳がその場所を「ゲームや漫画をする場所」と認識してしまうと、仕事中の誘惑も強くなるでしょう。
部屋を分けるのが理想ですが、それが難しいなら、机を変えたり座る位置や向きを変えたりするだけでも構いません。
作業スペースに余計な物を置かない
集中力を維持するためにも、脳を疲れさせないためにも、作業スペースに余計な物を置かないようにしましょう。
私たちの脳は目から入ってきた情報を自動的に処理するようにできています。たとえば机にコップが置いてあれば「ここにコップがある」、時計が置いてあれば「ここに時計がある」と脳が勝手に処理してしまうのです。
このような小さな処理も、積もれば脳を疲労させます。作業スペースに物を極力置かないようにすることで、脳の疲労を軽くできるでしょう。
壁を背にすると集中しやすい
勉強や仕事をするとき、壁を背にすると集中しやすくなるかもしれません。
私たちは今でこそ文明社会で暮らしていますが、もともとは野生動物でした。狩猟・採集生活をしていた時代では、ライオンや狼などの肉食動物に襲われるリスクが常にありました。後ろに壁があれば、少なくとも背後から襲われる心配がなくなり、リラックスしやすくなるのです。
もちろん、現代の私たちがいきなりライオンに襲われることはありません。しかし、私たちの脳は原始時代からほとんど進化していないといわれています。実際に襲われるかどうかに関係なく、壁を背にすることで心が落ち着き、目の前の勉強や仕事に集中しやすくなるのです。
カーテンで小さな秘密基地を作ってみよう
壁を背にするようにデスクを配置すると、壁に向かってデスクを配置するのに比べて、余計な物が目に入りやすくなります。そこでおすすめなのが、デスクの前にカーテンを吊るす方法です。
壁を背にデスクを配置し、そのスペースをカーテンで覆うことで、「壁を背にしていることによる安心感」と「余計な物が目に入らない作業スペース」の両方が手に入ります。
何より、秘密基地にいるような感覚がして楽しいです。誰にも邪魔されない自分だけの秘密基地には安心感とワクワク感があり、そこにいるだけでやる気がわいてくるでしょう。
ただ、窓や照明の位置によっては多少薄暗くなるかもしれません。小さなランプを置けば暗さは解消できますが、ここで少し工夫して、やる気が出るような作業スペースを作ってみましょう。
たとえばネットカフェが好きな人なら、作業スペースをあえて薄暗いままにして、ネットカフェのような雰囲気を残しておくのがおすすめです。ゲームが好きな人、ゲームセンターが好きな人なら、ゲーミングカラーのライトやLEDイルミネーションを使ってみてはいかがでしょうか。
このようなアイテムは、「カラフルライト」と検索すればたくさん見つかります
創造性を高めたいなら散らかっている方がいい
基本的に、集中力を高めたいなら作業スペースは片付いている方がいいです。しかし、創造性を高めたいなら、少し散らかっているスペースもおすすめです。
物が少なく整理整頓されたスペースでは自己管理力が、散らかったスペースでは創造性が高くなるというデータがあります。
たとえば単純作業や暗記科目をするときは机の上に物を置かない、レポートや企画書を書くときはあえて物を出すというように、作業内容によって机の状態を変えてみるのもいいでしょう。
ただ散らかすのではなく、お気に入りの文房具やガシャポンの景品、グッズなどを飾るのがおすすめです。好きなものが置いてある作業スペースなら、やる気も自然と出てくるでしょう。
水をたくさん飲む
集中力や生産性を維持するために、水はこまめに飲みましょう。水をこまめに飲むことで身体から老廃物が排出されやすくなります。気持ちがポジティブになる効果もあります。1日2~4リットルを目指して、こまめに水を飲んでみましょう。
参考:水分摂取量の変化が飲酒量の多い人と少ない人の気分に及ぼす影響 - PMC
立って仕事や勉強をする
テレワークの普及により、スタンディングデスクを使う人が増えました。立っていると血流が良くなり、勉強や仕事が捗りやすくなります。眠くなりづらくなる、身体的に疲れるので休憩中に休憩に集中しやすくなるなどの効果もあります。
何より、長時間座り続けることは身体に良くありません。スタンディングデスクに変えることで腰や背中の痛み、便秘が改善したという人もいます。
ただ、いきなり高額のスタンディングデスクを購入するのは抵抗があるかもしれません。デスクの上にテーブルや踏み台を重ねてみる、立って読書をしてみるなど、まずは「立って作業をするとどんな感じなのか」を試してみるといいでしょう。
本格的にスタンディングデスクを導入するなら、デスクの高さを変えて立ったり座ったりできる電動昇降デスクがおすすめです。