■ジョンとの生活
キャサリンとジョン・プライスが出会ったのは1993年10月、2人とも38歳のときだった。キャサリンは3人の男との間にもうけた子供4人を連れていた。一方のジョンも3人の子持ちだった。
ジョンは仕事熱心で、現場に一番乗りで到着するような真面目な男だった。大酒飲みだったが、仕事ぶりは高く評価されていた。タバコも吸い酒も飲み、バーでたむろするのが好き。そんな彼はキャサリンのことを「似た者同士」だと思い込み意気投合した。セックスの相性も最高だったようだ。
だがキャサリンはしばらくするとジョンを罵り、暴力を振るうようになった。ジョンの子供達は「父の体にはキャサリンに刺された傷痕があった」と証言している。交際を始めて1年半、キャサリンはジョンに結婚したいと求めた。だがジョンは「すまん。お前とはセックスだけが目的で付き合ってるんだ」とバカ正直に伝えたという。
ジョンの家に入りびたりになっていたキャサリンは、結婚してくれない彼に腹をたて、彼の子供達に「あんたはジョンの子じゃないんだよ。あんたの母さんが浮気して出来た子なんだ」といじわるを言い、傷つく子供達を見てニタニタ笑った。
嫌がらせの矛先は当然ジョンにも向かった。ジョンは職場のゴミに出されていた期限の切れた薬箱を家に持ち帰っていたのだが、キャサリンはこれを「ジョンが盗んだんですよ」とビデオを撮影してまでタレ込んだ。これが原因でジョンはクビになってしまった。
ジョンが無職になれば彼女も困るはず。だがキャサリンは、復讐するためならどんなことになっても構わないという女性だった。嫌がらせばかりするキャサリンにほとほと嫌気がさしたジョンは「家から出て行け!」と叫んだが、彼女は「出てって欲しいなら1万ドルよこしな」と逆に要求する始末。キャサリンの暴行は日に日に酷さを増していった。
所構わずジョンに暴言を吐き、暴力を振るうキャサリンを見て、ジョンの友人たちは「別れた方がよい」と説得するようになる。ジョンも一度は友人たちの言葉に従い、キャサリンを家から追い出したこともあった。しかし、キャサリンに「私たちは一緒にいるべきでしょ」「今度こそ上手くいく」と言われ、3ヶ月後にはあっさりと彼女と復縁してしまった。ジョンはこの一件で多くの友人を失うことになった。
なお、復縁の理由はセックスだったと見られている。彼女のセックステクニックは最高な上、名器で、男を魅了し離さなかったようなのだ。
ジョンはキャサリンと復縁したものの、すぐに後悔するようになる。キャサリンは全く変わっておらず、喧嘩ばかりふっかけてくる。暴力も振るう。ジョンは友人に電話をかけてキャサリンにされたことを明かし「もし自分に何か起こったら、警察に証言してほしい」とまで話した。
キャサリンのヒステリーに耐えられなくなり、警察に彼女を家から追い出したいと相談したこともあった。しかし、彼女が生活をしている家から追い出すことは、たとえその家がジョンのものであったとしても、裁判所からの退去命令を取得しなければ無理だと言われてしまった。