■逃げ切った男たち
キャサリンは1986年、鉱山夫のデヴィッド・サンダーズと交際を開始した。しかし甘い日々は1年半ほどしか続かなかった。サンダーズは、常に浮気を疑われ「自分と一緒に時間を過ごしてくれない!」とヒステリックに暴行を振るうキャサリンに嫌気がさすようになった。
キャサリンの暴行ははさみで切りつけるなどエスカレートしていった。「別れる」と言われて逆上し、サンダーズの目の前で彼の愛犬が産んだ生後8週の子犬の首を切り裂いて殺したこともあった。彼の妹宅にショットガンを片手に現れ「たった今、デヴィッドを射殺した」と言ったこともあった。彼女の行動はめちゃくちゃだった。
犬のことがあってから、サンダーズは何度もキャサリンと別れようと努力した。友人宅に身を寄せたりもした。でも、体の相性が良すぎたのか、セックスでごまかされたのか、別れることができなかった。そして1988年、2人の間に娘が生まれた。しかしキャサリンの態度は変わらず。別れを決意したサンダーズは彼女に見つからないようにと細心の注意を払った。見つかったら殺されると思ったからだ。そして彼は無事に逃げ切ったのである。
必死にサンダーズを探していたキャサリンだったが、と畜場で働くジョン・チリングワースと出会い、心を惹かれるようになる。ジョンと性的関係を結んだキャサリンはようやくサンダーズのことを諦めた。その後すぐに妊娠し、1991年、彼女にとって初めての息子が誕生。しかし、チリングワースとは殴り合いの喧嘩を繰り返すようになる。
これまでの男たちはキャサリンにやられてばかりだったが、チリングワースは相手が女であっても思いっきりやり返す男だった。力で負けると思ったのかキャサリンは彼のもとを去った。そして、後に自らの手で殺害することとなるジョン・プライスと付き合うようになった。