■サナア写本
1972年にイエメンのサヌアのグランドモスクで発見されたサナア写本(Sanaa manuscript)は、現存する最古のコーラン写本の1つである。
サナア写本は、聖書のテキストを含む羊皮紙の断片で構成されており、標準化されたコーランのテキストとは異なる表記や文字のバリエーションなど、いくつかの独自の特徴が存在することで注目されている。
サナア写本はは再利用された羊皮紙に書かれたパリンプセスト(palimpsest)である。パリンプセストは元の文字が消去され、その上に新しい文字が書き込まれているのだが、現代の科学により消去されたテキストを判読することが可能になっている。消された記述はきわめて初期のヒジャジ(Hijazi)文字で書かれた、ユニークなバージョンのコーランを示していたのである。
古代の写本であるサナア写本はコーランの初期段階とその文字形式の発展についての洞察を提供する可能性があるとして注目を集めている。彼らの発見はコーランの伝承の多様な歴史的側面への窓を提供し、初期イスラム時代とコーランの歴史的進化の理解に貢献するものだが、その解読と理解は今も依然として学術的な調査と議論の対象である。
古代史を研究する学者に立ちはだかる謎の言語で綴られたこれらの未解読の原稿を解明することは、単なる古代語の翻訳だけではなく、失われた言語、忘れられた知識、そして現代人がまだ知らない価値の探求でもあるのだろう。
参考:「Ancient Origins」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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