■タルタリアのタブレット

 ルーマニアで発掘された「タルタリアのタブレット(Tartaria Tablets)」は、紀元前約5300年にまで遡る考古学的発見であり、一連の謎めいたシンボルが刻まれた3枚の粘土板で構成されているこの石板は研究者や考古学者の注目を集めている。石板に刻まれた一連の文字は既知の最古の文字の形式の1つであるともいわれている。

まだ解読されていない謎の古代文字&古文書トップ10【後編】
(画像=画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)

 これらの文字の目的と意味は、明確な言語的または文化的背景が欠如しているため専門家を困惑させている。世界最古の文明のひとつであるこの文明に属する原始的な文字の形式か、または初期のコミュニケーションの試みを表しているのではないかと考える者もいるが、象徴的または儀式的な意味があるのではないかと主張する専門家もいる。

 初期人類文明の研究におけるタルタリアのタブレットの解読は、その古さ、限られた文脈情報、および比較可能な言語資料の欠如により大きな課題を抱えており、考古学者、言語学者、歴史家の間で、これらの古代遺物の真の性質と意図された用途を解明することを目的とした議論と研究が今も続いている。