民族の牢獄……ロシア内部から動きが

 前述のように膨大な数の民族が、ロシアに武力併合されて数百年間も差別され屈従を強いられてきた。差別されている人たちが、戦争が起きると最前線に送られ戦死を強いられる。ソ連時代から指摘されている「民族の牢獄」に他ならない。

 1月17日のバシコルトスタンにおける大規模デモを見れば、何かのきっかけで大きな運動に発展する可能性がある。

 そして、現実に少数民族たちの独立を求める運動がある。つまり、牢獄から自由の身になりたいという人々が、少数だが確実に声を上げ始めているのだ。民族を問わずプーチン政権の戦争に抗する反体制派たちによるパルチザンが激増しているという情報もある。加えて現在、戦線で抵抗を続けるウクライナ人。

 つまり、ウクライナ、ロシア少数民族、ロシア反体制派、の三者が、結果的にせよ連動するかたちが作られかけている。その流れに結集する人たちは「ロシア連邦解体のカウントダウンが始まった」と言う。

 180以上もの民族が住むロシア連邦内で、いま注目したいのは「ロシア後の自由な民族フォーラム」である。

 このフォーラムは、ウクライナ人のオレグ・マガレツキー氏らが2022年に創立したもので、少数民族たちが自分たちのおかれた状況確認し、ロシアの脱帝国主義化・ロシアの脱植民地化を目指す枠組みである。

ウクライナ戦争、ロシア崩壊のカウントダウンか…少数民族が独立運動を活発化
(画像=自由を求める民族や地域がこれだけあると示す地図(ロシア後の自由な民像フォーラムのホームページより),『Business Journal』より 引用)