〇起業・閉鎖モデル
これまで筆者は、複数の職を持つ者がNFPを押し上げた可能性を指摘していた。理由は、NFPの場合、賃金をベースにカウントするためで、家計調査と異なるため(i.e. 副業を持つ就業者の場合、NFPなら2つの雇用増とされるが、家計調査は仕事が2つあっても、1人分として集計する)。最近では、NFPを算出する上での起業・廃業モデルにも注目。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙も、2023年7月に同様の記事を配信し、起業・廃業モデルなどを理由に「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げ、筆者以外に疑問視する声の存在を感じさせていた。
今回を振り返ると、起業・閉鎖調整ベース(季節調整前)の雇用増加をみると前月比36.4万人増と、前月の2.1万人減から増加に転じ、NFPを押し上げた可能性を示唆した。
チャート:起業・閉鎖調整ベースの雇用増減(季調前)の推移
(出所:Street Insights)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2024年5月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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