名投手・沢村栄治は、メジャーリーグに入団しかけたことがある
戦前を代表するプロ野球投手、沢村栄治。日本プロ野球史上初のノーヒットノーラン達成などの大記録も残し、その年に活躍した投手に贈られる賞にもその名が冠せられるほどです。そんな沢村が日本人初のメジャーリーガーになるかもしれなかったというのはご存知でしょうか?
1934年、当時、東京ジャイアンツに所属していた彼は、全日本チーム、今で言う侍ジャパンのような日本代表チームの一員として、アメリカ、メジャーリーグのオールスターチームと対戦。わずか1失点に抑えたことから、その名前はアメリカでも知られていました。
その翌年、東京ジャイアンツの一員としてアメリカに渡った沢村は、地元のファンにサイン攻めにあいましたが、そんな中、差し出された紙の中に、メジャーのカージナルスの入団契約書があったそうです。何も知らない沢村は勢いでその契約書にもサインしたそうで、後にその球団のスカウトがジャイアンツ側に対して契約書を見せて、いつ沢村を渡してくれるかと迫ったそうです。さすがに、そんな契約で沢村を渡すことはできないということで、必死で説明してなんとか断ることができたとか。
もし、そのまま押し通されていたら、日本プロ野球界も大きく変わっていたのかもしれません。
もたもたしている様子を指す言葉「ちんたら」は、焼酎づくりに由来している
「ちんたら歩いてるんじゃない」などといったときに使われる表現「ちんたら」。これは薩摩地方で行われていた焼酎の蒸留法に由来する言葉だそうです。
江戸時代、薩摩地方では焼酎は「ちんたら蒸留器」と呼ばれる機械を使って作られていました。これは鉄釜を熱したときに出る「ちんちん」という音と、蒸留して気体となった焼酎が冷めて「たらたら」と1滴ずつ流れ出てくる様子から命名されたものです。そして、この様子が非常にゆっくりであることから、のんびりしている様子やのろまな様子を蒸留器にたとえて、「ちんたら」と呼ぶようになったそうです。
昔は、このような機械を使っていたため、焼酎ひとつを作るのにものすごく時間がかかったそうです。もしかしたら、「ちんたら」という表現にネガティブなイメージが強いのは、作っているときの職人のイライラした気持ちが表れているのかもしれません。