ナマズは、人間よりもグルメ

池や湖に生息する淡水魚、ナマズ。実は人間と比べて食べ物の味を強く感じることができるということがわかっています。

というのも、人間の舌には味を感じる器官である「味蕾」と呼ばれるものがありますが、ナマズにはこの味蕾が舌だけでなく、ヒゲや尾びれなど全身にあり、その数は17万個ほど。人間の成人が7500個ほどですから、20倍以上もあります。

というのもナマズは水が濁ったところに棲んでおり、エサとなる小魚を、流れ出ているアミノ酸やカルボン酸をもとに探し出すため、目が見えなくてもちゃんとエサにたどりつけるように、このような進化を遂げたというわけです。

これだけの数の味蕾が体全体にあるということは、食べる前から味もわかりますし、美味しさもより強く感じることができるということで、一見、うらやましくも思えますが、その分、湖などの汚いところで生息しているため、感じたくない泥や他の生物の排泄物の味も、嫌でも感じてしまいます。そう考えると、味がわかりすぎるのも、決していいことばかりではないことがわかりますね。

日本の元首相・高橋是清は、アメリカで奴隷として売られたことがある

大蔵大臣や日銀総裁としての実績もあり、1921年には内閣総理大臣にも就任した政治家・高橋是清。二・二六事件で青年将校らの銃撃を受けてそのまま生涯を閉じるという波乱の人生を送りましたが、彼は少年時代にアメリカに渡ったときも、まるでドラマのような出来事に巻き込まれていました。

1867年、江戸時代末期に高橋は英語を現地で学ぼうと、14歳で単身、アメリカ・サンフランシスコへ留学し、アメリカ人夫妻のもとで暮らすこととなりました。しかし、その夫妻がくせ者で、彼らは高橋を奴隷として他の家庭へ売り飛ばしてしまいます。そして渡米から1年たったある日、高橋は江戸幕府が崩壊したニュースを聞きつけました。それを良い機会だと思ったのか、自分を売った夫妻を呼び寄せ、領事立会のもと話し合った結果、奴隷契約の破棄の採決を下してもらい、ようやく日本へと帰ることができました。

それだけ留学で苦労しただけあって、高橋は高い英語力を身に付け、やがて政治家の世界へ入ると、英語を武器にその地位を高めていき、最終的に総理大臣まで登り詰めました。