P.M.

 P.M.は生まれながらに顔に3つのアザを持っていた。

 P.M.が生まれる数年前に異母兄が小児がんによって2歳で死亡しているのだが、死亡時にあった顔の傷と腫れに、P.M.のアザは一致していたのである。亡くなったばかりの兄が生まれ変わったかのようであった。

 P.M.が歩けるようになった時、彼は暫くの間、異母兄が悪かった左脚と左半身をいたわるように足を引きずりながら歩いていた。

 4歳半頃になるとP.M.は前の家に戻りたいと母親に話し、前の家の間取りや家具など非常に正確に説明した。また当然知るはずもない兄が受けた頭皮手術についても詳しく話したのである。