20年返済でも総額で400万円以上の軽減に

 では、この金利引下げのメリットはいかほどなのでしょうか。負担軽減効果を試算してみましょう。共通の設定条件は、借入額5000万円、元利均等・ボーナス返済なしです。まず、返済期間20年で、金利引下げのない1.48%が完済まで適用される場合、毎月返済額は24万813円で、これが20年間変わらないので、完済までの総返済額は5779万5120円になります。「【フラット35】子育てプラス」で、合計ポイントが9ポイントだと、1.48%の金利が当初10年間は0.48%に、11年目以降15年目までが1.23%に引き下げられ、16年目以降は1.48%になります。この条件での毎月返済額は以下のようになります。

・当初10年間   年利0.48% 毎月返済額21万8534円
・11年目~15年目 年利1.23% 毎月返済額22万6829円
・16年目~20年目 年利1.48% 毎月返済額22万8257円

 20年間の総返済額は、

・当初10年間   21万8534円×12か月×10年=2622万4080円
・11年目~15年目 22万6829円×12か月×5年=1360万9740円
・16年目~20年目 22万8257円×12か月×5年=1369万5420円

 これを合計すると5352万9240円です。金利引下げがないと総返済額は5779万5120円ですから、20年間で426万5880円負担が軽減される計算です。

当初10年間は月額2万円以上の負担軽減に
 35年返済だと、軽減効果はもっと大きくなります。金利引下げがないと、金利は1.96%ですから、5000万円、元利均等・ボーナス返済なしの毎月返済額は16万4606円です。これが35年間続くので、完済までの総返済額は、

・16万4606円×12か月×35年=6913万4520円

になります。それに対して、「【フラット35】子育てプラス」の金利引下げポイントが9ポイントだと、当初10年間は金利引下げ1.00%、11年目以降15年目は0.25%の金利引下げで、16年目以降は1.96%になります。このケースで、借入額5000万円、元利均等・ボーナス返済なしだと次のようになります。

・当初10年間   年利0.96% 毎月返済額14万0212円
・11年目~15年目 年利1.71% 毎月返済額15万3227円
・16年目~30年目 年利1.96% 毎月返済額15万6877円

 当初10年間の毎月返済額は金利引下げがない場合の16万4606円に比べて、月額で2万4394円も軽減されます。

35年返済だと500万円以上の軽減に
 その結果、完済までの総返済額がどうなるのかをみると、次のようになります。

・当初10年間   14万0212円×12か月×10年=1682万5440円
・11年目~15年目 15万3227円×12か月×5年=919万3620円
・16年目~30年目 15万6877円×12か月×20年=3765万0480円

 これらを合計すると6366万9540円です。金利引下げがない場合の総返済額は6913万4520円ですから、546万4980円の軽減です。20年返済に比べて、軽減額が120万円ほど多くなるのです。総返済額だけではありません。年収に対する年間返済額の割合である返済負担率も随分と軽減され、返済計画がラクになります。

 たとえば、35年返済で金利引下げがないと毎月返済額は16万4606円ですから、年収600万円の返済負担率は32.9%、年収800万円だと24.7%、年収1000万円では19.8%です。安心の返済計画を考えると、返済負担率は25%程度に抑えておくのが無難といわれていますから、年収600万円では、かなり不安がありますし、年収800万円でも安全ラインギリギリです。