トラッキングの計測方法

トラッキングでユーザーのWeb行動を計測する方法は「ダイレクト計測」と「リダイレクト計測」の大きくわけて2つあります。それぞれの詳細を紹介します。

ダイレクト計測

ダイレクト計測はWebページに計測用のタグを埋め込む方法です。トラッキング用のサーバーが不要なため費用を抑えやすく、サーバーの不具合による影響も受けません。

ただ、ページにそれぞれタグを埋め込まなければならないため手間がかかります。次に紹介するリダイレクト計測に比べてアクションから計測までの間にラグが生じること、精度が低いことなどのデメリットもあります。

リダイレクト計測

リダイレクト計測はトラッキング用のサーバーを経由してWebページにアクセスさせる方法です。ユーザーはリダイレクト用のURLをクリックし、トラッキングサーバーを経由して広告や自社サイトに流入します。

ダイレクト計測に比べて計測の精度が高く、タグ埋め込みを必要としないため手間がかかりません。タグを埋め込めない場所でも計測できます。

ただし、トラッキング用のサーバーが別途必要になるため費用がかさみやすいです。トラッキングサーバーに不具合が起きたときに計測できなくなったり、リダイレクト先まで遷移できなくなったりするリスクもあります。

トラッキングに使われる「Cookie」とは

トラッキングに使われる代表的な技術として「Cookie」が挙げられます。Cookieとはユーザーの閲覧情報が一時記録されたファイルのことで、Webサイトに訪問した日時や回数などが記録されています。

一度ログインしたWebサイトやアプリに自動ログインしたり、カゴに商品を入れたままショッピングサイトを閉じても、再アクセス時にカゴに商品が入ったままになっていたりするのはCookieのおかげです。

Cookieには「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」の2種類があります。それぞれの詳細を紹介します。

ファーストパーティCookie

ファーストパーティCookieは訪問先のWebサイトにより発行されるCookieです。そのWebサイトのログイン情報や閲覧履歴などが保存されています。

先述の「一度ログインしたWebサイトやアプリに自動ログインできる」「ショッピングサイトを閉じてもカゴに商品が入ったままになっている」などは、ファーストパーティCookieによるものです。

ただ、ファーストパーティCookieはWebサイトがそれぞれ発行するため、発行元のサイトでしか機能しません。サイト内のユーザー行動をトラッキングすることはできますが、サイトを越えたトラッキングはできず、同じユーザーでも利用するデバイスやブラウザが変わると別ユーザーとして認識されてしまいます。

サードパーティCookie

サードパーティCookieは、訪問しているWebサイトとは異なる第三者から発行されるCookieです。主に広告代理店などが発行するCookieで、たとえばサイト内に設置された広告の配信サーバーから発行されます。

サードパーティCookieはWebサイトを横断してトラッキングできます。あるサイトからあるサイトへの流入ユーザーを調べたり、複数サイトでの閲覧履歴からユーザーの興味・関心を分析し、そのユーザーに合う広告を表示したりできます。