【ユーザー側】トラッキングのメリット

トラッキングはWebサイトやアプリを利用するユーザーにとってもメリットがあります。トラッキングを許可することでログイン情報の入力が不要になったり興味に合う広告が表示されやすくなったり、より便利にスマートフォンやPCを使えるようになるでしょう。

ログイン情報の入力・管理が簡単になる

トラッキングにはWebサイトやアプリごとのログイン情報(ID・パスワード)が記録できるメリットがあります。自動ログインやログイン情報の自動入力が可能になり、毎回IDやパスワードを入力する手間から解放されるでしょう。

複数のID・パスワードを使い分けている場合、管理も簡単になります。「どのID・パスワードがどのWebサイト・アプリのものだったかわからない」「ログイン情報がわからず問い合わせをしたり、登録したこと自体を忘れて再登録したりすることが多い」という人にとって、このメリットは特に大きいでしょう。

興味のある広告が表示されやすくなる

トラッキングを許可すると、興味のある広告が表示されやすくなります。自分に合う商品やサービスを見つけやすくなるのはもちろん、興味のない広告ばかりが表示されてストレスを感じることも少なくなるでしょう。

トラッキングのデメリット

次に、トラッキングのデメリットを企業側とユーザー側に分けて紹介します。

企業:「広告がしつこい」と思われるリスクがある

トラッキングを活用した広告に「リターゲティング広告」があります。一度自社サイトを訪問したユーザーに対して自社の商品やサービスの広告を表示する広告です。

Webサイトに訪問した人はそのWebサイトに掲載されている商品やサービスに興味があることが多く、「コンバージョン確度の高い見込み客」といえます。そんなユーザーに狙いを定めて広告を表示するメリットは大きいでしょう。

しかし、同じ広告が何度も表示されることで、ユーザーにしつこいと思われるかもしれません。「同じ広告が何度も表示されてうっとうしい」と思われたり、購入・申し込み済みのユーザーに広告を表示して無駄な費用がかかったりすることもあります。

ユーザー:情報漏えいのリスクがある

トラッキングには、トラッキングデータからセッションIDという識別情報を抜き取られ、第三者が自分になりすましてWebサイトやアプリにログインする「セッションハイジャック」が行われるリスクがあります。

これにより住所や氏名などの個人情報を特定されたり、クレジットカード情報が流出し不正利用されたり、さまざまな被害が考えられます。

これはトラッキングを非許可にすることで対策できますが、トラッキングには便利な面も多いです。セキュリティソフトを導入し、トラッキングを許可したままセキュリティ対策するのも一案です。