JALカードの最高位ステイタスカードと銘打たれている「JALカードプラチナ」。入会ボーナスマイル・毎年初回搭乗ボーナスなどマイルがたまりやすい仕組みの他、世界中の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスなど多くの魅力が詰まったこのカードの特徴を紹介しよう。

目次

  1. 1,「JALカードプラチナ」の3つのポイント
  2. 2,基本スペックと審査基準――プラチナカードとしては比較的取得しやすい
  3. 3,「JALカードプラチナ」のマイル還元率・獲得数アップの方法
  4. 4,獲得マイルシミュレーション
  5. 5,ゴールドカードとどちらがお得?損益分岐点を計算
  6. 6,4つのメリット――空港ラウンジサービス、JALの優遇・優待、高額の付帯保険、国際ブランドのプラチナサービス
  7. 7,2つのデメリット――国際ブランドの選択肢、年会費
  8. 8,「JALカードプラチナ」はどんな人におすすめ?

1,「JALカードプラチナ」の3つのポイント

クレジット利用でJALマイルがたまる「JALカードプラチナ」。このクレジットカードの際立った点として、まず次の3つを挙げておく。

・JALマイルが効率よくたまる
・1,300ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティ・パスが付帯
・最高1億円の旅行傷害保険

航空会社らしいメリットを満載したこのカードの詳細を見ていこう。

2,基本スペックと審査基準――プラチナカードとしては比較的取得しやすい

マイル還元率の詳細やメリット・デメリットを見ていく前に、「JALカードプラチナ」の基本スペックと審査基準を紹介しよう。

JALプラチナカードの基本スペック

国際ブランド アメリカン・エキスプレス
JCB
年会費 3万4,100円(税込)
家族会員1万7,050円(税込)
マイレージサービス JALマイル
通常マイル還元率 1%
空港ラウンジサービス 国内28空港+ハワイ・ホノルル
プライオリティ・パス(世界1,300ヵ所以上)
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(自動付帯)
海外航空便遅延お見舞金制度(自動付帯)
国内・海外航空機遅延保険(JCBのみ・自動付帯)
ショッピング補償(アメリカン・エキスプレス)
ショッピングガード保険(JCB)
JALカードゴルファー保険(自動付帯)
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー 【別途カード発行必要】
WAON
QUICPay
【おサイフケータイ経由】
WAON
QUICPay
【Apple Pay(JCBのみ対応)】
QUICPay
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

国際カードブランドはアメックス(アメリカン・エキスプレス)かJCBから選ぶ。JCBでは通常デザインの他、パイロット姿のミッキーマウスが描かれたディズニーデザインも提供される。

クレジット利用により直接マイルが付与される仕組みとなっており、JALマイルをためることに特化したカードといっていいだろう。

JALプラチナカードの審査基準

公式サイトには、このカードの申し込み資格として次のように記されている。

カード名 申し込み資格
JALカードプラチナ(アメックス) 原則として20歳以上で、ご本人に安定した収入のある方
(学生を除く)
JALカードプラチナ(JCB) 20歳以上で、ご本人に安定した継続収入のある方
(学生を除く)
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

他社プラチナカードには30歳以上でなければ申し込めないものもあることを考えると、比較的、審査のハードルが低いカードといっていいだろう。

口コミ情報から推測すると、勤続年数3〜5年以上、年収500万円以上で審査通過の可能性があるようだ。ただし、勤続年数は長いほど、年収は多いほど審査に有利であることはいうまでもない。

3,「JALカードプラチナ」のマイル還元率・獲得数アップの方法

このカードはマイレージカード機能も備えており、フライトマイルがたまる他、「ショッピングマイル」としてカードショッピングで直接マイルがたまる仕組みとなっている。ここで、マイルのたまり方を紹介しよう。

ショッピングマイル・プレミアム適用によりマイル還元率1%に

通常、JALカードではクレジット利用200円につき1マイルが付与。ただし、このカードではマイルが2倍付与される「ショッピングマイル・プレミアム」(通常年会費:税込3,300円)に無料で自動入会となり、クレジット利用100円につき1マイルの付与となる。マイル還元率は1%だ。

JALグループ便搭乗でボーナスマイル付与

カード入会後、マイル積算対象運賃でJALグループ便に搭乗すると各種ボーナスマイルを獲得できる。これは家族会員にも適用される。各ボーナスマイルの内容は次の通りだ。

ボーナスポイント名 付与条件 付与マイル数
入会搭乗ボーナス 入会後初めての搭乗時にプレゼント
(1回のみ)
5,000マイル
毎年初回搭乗ボーナス 入会搭乗ボーナス獲得年の翌年以降、
毎年最初の搭乗時にプレゼント
2,000マイル
搭乗ごとのボーナス 搭乗ごとに付与 フライトマイルに25%プラス
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

JALカード特約店でマイル還元率2%

「JALカード特約店」では通常の2倍のマイルを獲得。「ショッピングマイル・プレミアム」に自動入会となるこのカードではトータル4倍となり、マイル還元率は2%となる。

特約店はJAL関連の他、イオンやファミリーマート、大丸・松坂屋、ロイヤルホスト、レンタカー各社、紀伊國屋書店、ディノス、コナカ、マツモトキヨシ、スターバックス、ENEOSなど多数。

JALグループのマイル還元率が4%になるアドオンマイル

JALグループ各サービス(JALグループ航空券・JAL機内販売・ツアー商品・JAL通販など)では、「アドオンマイル」として通常のショッピングマイルに加えて100円につき2マイルが付与される。さらに、ツアー商品以外ではJALカード特約店に対するマイル2倍も適用され、合わせてマイル還元率4%となる。

以上のことから、JALグループの利用が多い人なら圧倒的にマイルがたまりやすいカードといって差し支えないだろう。

4,獲得マイルシミュレーション

目安として、クレジット年間利用金額ごとに獲得マイル数のシミュレーションをしてみよう。

年間クレジット利用金額別の獲得マイル数(年額の10%がJAL航空券の場合)

このカードを持つ人はJAL航空便をよく利用していると仮定し、年間利用金額の10%をJAL航空券の決済に使ったケースでシミュレーションをする。なお、ボーナスマイルの計算の都合上、入会2年目以降の設定とし、フライトマイルや搭乗ごとのボーナスマイルは算入しない。

年間クレジット
利用金額
通常
ショッピング
マイル
マイル倍付け部分
(JALカード特約店・
アドオンマイル)
毎回初回搭乗
ボーナスマイル
合計獲得マイル
200万円 2万マイル 6,000マイル 2,000マイル 2万8,000マイル
300万円 3万マイル 9,000マイル 4万1,000マイル
400万円 4万マイル 1万2,000マイル 5万4,000マイル
500万円 5万マイル 1万5,000マイル 6万7,000マイル
600万円 6万マイル 1万8,000マイル 8万マイル
700万円 7万マイル 2万1,000マイル 9万3,000マイル
800万円 8万マイル 2万4,000マイル 10万6,000マイル
900万円 9万マイル 2万7,000マイル 11万9,000マイル
1,000万円 10万マイル 3万マイル 13万2,000マイル
(※JALのホームページを元に筆者作成)

特典航空券獲得に必要なマイル数

ためたマイルはほとんどの人が特典航空券へ交換するだろう。そこで参考までに、航空券に交換するために必要なマイル数を紹介しておこう。

なお、国内線の「クラスJ」(普通席のワンランク上の座席)の特典航空券は、ここに記した金額に片道・1名当たり2,000マイルを追加することで交換可能だ。

国内線特典航空券必要マイル数(東京からの往復)

路線 必要マイル数(通常)
大阪、名古屋、秋田、花巻、仙台、山形、小松 1万2,000マイル
札幌、福岡、沖縄(那覇)、女満別、旭川、
釧路、帯広、函館、青森、三沢、
南紀白浜、岡山、出雲、広島、山口宇部、
徳島、高松、高知、松山、北九州、
大分、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、奄美大島
1万5,000マイル
久米島、宮古、石垣 2万マイル
(※JALのホームページを元に筆者作成)

次に国際線を紹介する。国際線に関しては、次に挙げる基本マイル数は特典航空券に交換できる最小単位となり、時期によってはこの3〜6倍ほどのマイル数が必要となる。

国際線特典航空券必要マイル数(日本・東京からの片道、エコノミークラス)

路線 基本マイル数
ソウル、プサン 7,500マイル
高雄 8,500マイル
ウラジオストク 9,000マイル
広州、上海、大連、天津、北京、
香港、台北、グアム、マニラ
1万マイル
モスクワ 1万7,500マイル
シンガポール 1万2,000マイル
ホーチミンシティ、ハノイ 1万3,000マイル
バンコク 1万3,500マイル/
1万7,500マイル
クアラルンプール 1万4,500マイル
ジャカルタ 1万5,500マイル
デリー、ベンガルール 1万7,500マイル
シドニー 1万8,000マイル
メルボルン、コナ、ホノルル 2万マイル
ロンドン 2万2,500マイル/
2万6,000マイル
フランクフルト 2万3,000マイル
ヘルシンキ 2万3,500マイル
北米 2万5,000マイル
パリ 2万6,000マイル
(※JALのホームページを元に筆者作成)

以上の情報から考えると、先ほどのシミュレーションにおける年間利用金額が200万円の場合、その獲得マイルを使うと、例えば東京-石垣間の往復特典航空券に交換できることになる。また、年間300万円利用ならハワイへの往復特典航空券も手にできる。

年間カード利用額が多く、JALグルーブ便の利用もそれなりにあるなら、マイル還元率の点で年会費以上のお得があると考えていいだろう。

5,ゴールドカードとどちらがお得?損益分岐点を計算

「JALカードプラチナ」の1ランク下には「JAL CLUB-Aゴールドカード」というカードがある。まず、2つのカードのスペックを比較してみよう。

JALカードプラチナ JAL CLUB-Aゴールドカード
年会費(税込) 3万4,100円 1万7,600円
(JCB・VISA・MasterCard)
2万900円(アメックス)
3万800円(ダイナースクラブ)
入会搭乗ボーナス 5,000マイル
毎年初回搭乗ボーナス 2,000マイル
搭乗ごとのボーナス +25%
マイル還元率
(クレジット利用)
1%
※ショッピングマイル・プレミアム自動入会
JALグループ利用時
マイル還元率(ツアー)
3% 1%(アメックスのみ2%)
JALグループ利用時マイル還元率
(航空券・機内販売・通信販売)
4% 2%(アメックスのみ3%)
空港ラウンジ 国内28空港+ハワイ・ホノルル
プラオリティ・パス
(世界1,300ヵ所)
国内28空港+ハワイ・ホノルル
(JCB・VISA・MasterCard)
国内32空港+ハワイ・ホノルル
(ダイナースクラブ)
海外1,000ヵ所の空港
(ダイナースクラブ・
年間10回まで無料)
ラウンジ・キー
(JCB・世界1,100ヵ所・
1回32米ドル必要)
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

次に、年会費と獲得マイル数について、ゴールドよりもプラチナがお得になる損益分岐点をシミュレーションにより試算してみよう。ゴールドは国際ブランドによって年会費がかなり異なるが、ここでは獲得可能マイル数がより近くなるアメックスの「JAL CLUB-Aゴールドカード」と比較する。

損益分岐点の考え方

年会費の差額は1万3,200円となる。そして、一般的に1マイルは2円相当の価値があるとされることから、この差額は6,600マイル相当と見なせる。

このことから、ゴールドよりもプラチナが6,600マイル以上多くマイルを獲得できる年間カード利用額を損益分岐点と考えればよい。

シミュレーション条件と算出結果

シミュレーションの条件として先ほどのように、年間カード利用額の10%をJALグループ航空券に使っているケースで考えよう。

その場合、JALグループ航空券の利用額についてプラチナはマイル還元率4%、ゴールドはマイル還元率3%となる。このシミュレーションの条件ではその他の獲得マイル数は同数となるので、このJALグループ航空券購入分の獲得マイル数だけ比較すればいい。

その場合、プラチナとゴールドの1%の差が6,600マイル以上となるには、66万円以上のJALグループ航空券の購入が必要だ。つまり、年間66万円以上のJAL航空券を購入しているなら、ゴールドよりもプラチナがお得になる。なお、この「66万円」が年間カード利用額の10%に当たるとすると、年間カード利用額は660万円となる。

シミュレーションの結論

実際には、航空券以外のJALグループ利用やJALカード特約店の利用なども獲得マイル数を左右する要素となるが、このシミュレーションも一応の目安としては参考にはなるだろう。

結論としては、獲得マイルの観点だけでいうと、JALグループ便をかなり利用しているか、海外旅行は常にファーストクラスの人でなければゴールドでも十分そうだ。

ただし、「JALカードプラチナ」には、プライオリティ・パスや各国際ブランドが提供するプラチナランク向けのサービスなどマイル以外のメリットもあるので、カードを選ぶ際にはそこまで含めて検討することになる。

6,4つのメリット――空港ラウンジサービス、JALの優遇・優待、高額の付帯保険、国際ブランドのプラチナサービス

「JALカードプラチナ」のマイル関連以外のメリットは次の通りだ。

メリット1,「プライオリティ・パス」で世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジが無料に

148ヵ国、600以上の都市で1,300ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できるサービス「プライオリティ・パス」へ無料登録できる特典が付帯。プライオリティ・パスで利用できる空港ラウンジは、クレジットカードで通常利用できるラウンジよりもハイグレードであることが多い。

また、「プライオリティ・パス」とは別に、国内主要28空港とハワイ・ホノルルの空港ラウンジを無料で利用できるサービスも付帯。国内空港のリストは次の通りだ。なお、このカードで利用できるラウンジはJAL運営の空港ラウンジ(サクララウンジなど)ではないので留意したい。

成田国際空港 羽田空港 関西国際空港 伊丹空港
新千歳空港 函館空港 青森空港 秋田空港
仙台空港 新潟空港 中部国際空港 富山空港
小松空港 神戸空港 岡山空港 広島空港
米子空港 山口宇部空港 高松空港 徳島空港
松山空港 福岡空港 北九州空港 長崎空港
大分空港 熊本空港 鹿児島空港 那覇空港
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

プライオリティ・パス単体で登録する場合は429米ドルの会費が必要なサービスとなるため、それが年会費3万4,100円(税込)のカードに付帯してくるメリットは大きいといっていいだろう。

メリット2,空港や機内などでJALグループの優遇・優待を受けられる

JALグループの利用時に優遇サービスや優待を受けられる。その一覧を次に紹介しよう。

優遇・優待の名称 優遇・優待の内容
JALビジネスクラス・
チェックインカウンター
エコノミークラス・特典航空券でJAL国際線に搭乗の際、
ビジネスクラス・チェックインカウンターを利用できる
JAL/
JTA機内販売割引
10%割引とマイル還元率4%が適用。
さらに国際線では「国際線機内販売マイル」
として100円につき1マイルが付与される
空港店舗・
免税店での割引
国内空港店舗や成田国際空港内の免税店で割引が適用。
BLUE SKY5%オフ、コーラルウェイ10%オフ、
アプローズ5%オフ、空港免税店10%オフなど
ホテルニッコー &
JALシティの割引・特典
1泊当たり200〜2,000マイルを付与。
アーリーチェックイン、レイトチェックアウト、
ホテル指定のレストラン・バーなどで5%オフ、
個室無料利用などの特典も提供される
JALパックツアー割引 国内ツアー5%オフ、
海外ツアー3%オフ
JALビジネスきっぷ 当日の予約・変更可能な航空券を購入可能。
区間マイルは普通運賃と同様に100%付与される
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

空港や機内、ホテルなどで利用できるこれらの優遇・優待は、JALグループをよく利用する人にとっておおいにメリットとなってくれそうだ。

メリット3,最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯

このカードの旅行傷害保険はアメックスとJCBで補償内容が異なっている。それぞれ紹介しよう。

《「JALカードプラチナ(アメックス)」の旅行傷害保険の詳細》

海外旅行傷害保険では、傷害死亡・後遺障害の補償額が最高1億円となっている。そのうち旅行代金のカード払いにかかわらず適用される自動付帯分が5,000万円、カード払いが適用条件となる利用付帯分が5,000万円となり、その合計が1億円となる。

また、家族特約として、家族カードを持たない家族にも補償が適用。ただし、海外旅行中に利用できる日本語の24時間救急サービスは、家族特約対象者の利用はできない。

「JALカードプラチナ(アメックス)」の海外旅行傷害保険

種類 本会員
家族会員の補償額
家族特約
対象者の補償額
傷害死亡 最高1億円
(自動付帯分:5,000万円
利用条件分:5,000万円)
1,000万円
傷害後遺障害 最高1億円
(自動付帯分:5,000万円
利用条件分:5,000万円)
最高1,000万円
傷害治療費用
(1事故の限度額)
200万円
疾病治療費用
(1疾病の限度額)
200万円
賠償責任
(1事故の限度額)
3,000万円
携行品損害 1旅行につき50万円限度/
年間100万円限度 (免責3,000円)
救援者費用
(年間限度額)
200万円

(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

一方、国内旅行傷害保険は旅行代金のカード払いの有無にかかわらず適用(自動付帯)。補償内容は次の通りだ。

「JALカードプラチナ(アメックス)」の国内旅行傷害保険

種類 本会員
家族会員の補償額
家族特約
対象者の補償額
傷害死亡 5,000万円 1,000万円
傷害後遺障害 150万~5,000万円 30万~1,000万円
傷害入院日額
(最高180日)
1日につき1万円
手術/1回 手術の種類に応じて
1万円×倍率
(10倍・20倍または40倍)
傷害通院日額
(最高90日)
1日につき3,000円
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

《「JALカードプラチナ(JCB)」の旅行傷害保険の詳細》

最高1億円の海外旅行傷害保険は旅行代金のカード払いにかかわらず付帯(自動付帯)。家族カード会員以外の家族にも適用される家族特約付きだが、アメックスは配偶者や同居の両親(義理の親も含む)も対象とするのに対し、こちらは生計をともにする19歳未満の子に限られる。

ただし、海外旅行中に利用できる日本語の24時間救急サービスは、一部を除き家族特約対象者も利用できる。

「JALカードプラチナ(JCB)」の海外旅行傷害保険

種類 本会員
家族会員の補償額
家族特約
対象者の補償額
傷害死亡 1億円 1,000万円
傷害後遺障害 最高1億円 最高1,000万円
傷害治療費用
(1事故の限度額)
1,000万円 200万円
疾病治療費用
(1疾病の限度額)
1,000万円 200万円
賠償責任
(1事故の限度額)
1億円 2,000万円
携行品損害 1旅行につき100万円限度
/年間100万円限度
(免責3,000円)
1旅行につき50万円限度
/年間100万円限度
(免責3,000円)
救援者費用
(年間限度額)
1,000万円 200万円
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

一方、国内旅行傷害保険は旅行代金のカード払いの有無にかかわらず適用(自動付帯)。こちらには家族特約は付帯しない。

「JALカードプラチナ(JCB)」の国内旅行傷害保険

種類 本会員
家族会員の補償額
傷害死亡 1億円
*傷害後遺障害 最高1億円
傷害入院日額
(最高180日)
1日につき1万円
手術/1回 手術の種類に応じて
1万円×倍率
(10倍・20倍または40倍)
傷害通院日額
(最高90日)**
1日につき2,000円
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

どちらの保険がいいか単純比較はできないが、家族での国内旅行が多いなら国内旅行傷害保険にも家族特約が付くアメックスを、19歳未満の家族と海外旅行をする機会があるなら家族特約対象者も救急サービスを利用できるJCBを優先して検討すればいいだろう。

その他の付帯保険も紹介しておこう。

・海外航空便遅延お見舞金制度/国内海外航空機遅延保険

JAL国際線搭乗時の出発遅延・欠航・パスポート紛失について3万円の見舞金をもらえる制度が提供される。

さらに、JCBには国内・海外航空機遅延保険も自動付帯。国内外の航空便利用時、出航遅延などに伴って生じた飲食費や宿泊費、あるいは、預けた手荷物の遅延・紛失に伴う衣類購入費などが補償される。詳細は次の通りだ。

補償内容 補償金額
乗継遅延費用保険金 2万円限度
出航遅延費用等保険金 2万円限度
寄託手荷物遅延費用保険金 2万円限度
寄託手荷物紛失費用保険金 4万円限度
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

・ショッピング保険

ショッピング保険(JCBは「ショッピングガード保険」)として、カード購入した商品の損害について90日間、アメックスは年間300万円限度、JCBは年間500万円限度の補償が適用される。いずれも免責金額は1事故3,000円だ。

・JALカードゴルファー保険

国内外でのゴルフプレー中を対象として、最高1億円の賠償責任保険と最高300万円の傷害保険が自動付帯する。補償内容は次の通りだ。

補償内容 補償金額
賠償責任(1事故の限度額) 1億円
傷害死亡 300万円
傷害後遺障害 最高300万円
入院日額(最高180日) 4,500円
通院日額(最高90日) 3,000円
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

見てきたように、プラチナカードにふさわしく高額で多様な保険が充実している。特にゴルフをしている人にとってゴルファー保険のメリットは大きい。

メリット4,アメックス、JCBブランドのプラチナ特典を利用できる

プラチナ会員向けのコンシェルジュサービスの他、国際カードブランドそれぞれの特典・サービスが提供される。

《アメックスの特典・サービス》

特典・サービス名 特典・サービス内容
AMERICAN EXPRESS
EXPERIENCES
コンサートなどのチケット先行販売、良席確保、
イベントの舞台裏へのアクセスなどが提供される
海外アシスタンスサービス
「ハローデスク」
世界中の海外サービス窓口で、
現地情報の提供やレストランの予約などに日本語スタッフが対応
ハーツレンタカー優待 ハーツレンタカーの
「ハーツGoldプラス・リワーズ会員」の優待を利用できる
スーペリア・エキスペリエンス 国内外の一流ホテル、高級ダイニングや
スパなどでプラチナ会員向けの優待が提供される
プラチナ・グルメセレクション 対象レストランで所定のコースメニューを
2名以上で利用した場合に1名分の料金が無料に
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

《JCBの特典・サービス》

特典・サービス名 特典・サービス内容
JCBプラザ 世界主要都市に設置された海外サービス窓口で、
カード加盟店の予約や観光の問い合わせなどに日本語スタッフが対応
JCB Lounge 京都 京都駅ビル内「JCB Lounge 京都」を同伴者1名まで利用できる
JCBプレミアムステイ プラン 日本全国の高級ホテル・旅館で優待価格や会員限定特典が提供される
グルメ・ベネフィット 対象レストランで所定のコースメニューを
2名以上で利用した場合に、1名分の料金が無料に
ドクターダイレクト24 健康・医療・介護・育児などの相談、各種医療機関の情報について、
医師・看護師などの専門スタッフが相談料無料で電話対応(国内利用のみ)
(※JALカードのホームページを元に筆者作成)

いずれの国際ブランドにも共通するのが、対象レストランの所定のコース料理を2名以上で利用した際に1名分が無料になる特典だ。対象レストランには高級店も多く含まれているため、2〜3回の利用で年会費以上のメリットを期待できる。

7,2つのデメリット――国際ブランドの選択肢、年会費

「JALカードプラチナ」のデメリットも2つ触れておこう。

デメリット1,国際ブランドの選択肢が少ない

国際ブランドはアメックスやJCBだけしか選べず、いずれも海外で比較的加盟店数が少ない点がデメリットとなる。

そうした理由から海外旅行時にはアメックスやJCBだけでは心もとないので、加盟店数の多いVISAブランドやMasterCardブランドのカードも併用することになる。

デメリット2,年会費が高額

航空機利用の少ない年は、JALマイルがたまりやすい仕組みやプライオリティ・パスを十分活用できないため、3万4,100円(税込)の年会費が割高に感じられる。また、家族カードの会費も1万7,050円(税込)と高額なので、持たせたい家族が複数いる場合には年会費負担が大きい。

8,「JALカードプラチナ」はどんな人におすすめ?

マイルのたまりやすさ、JALの優遇・優待、プライオリティ・パス、付帯保険の金額などを考えると、「JALカードプラチナ」はJALをよく利用する人にとってメリットの大きいカードといっていいだろう。

アメックスかJCBかという点は、双方を比較すると一長一短があり、単純にどちらがいいとはいえない。両者で違うのは主に保険の補償内容とブランド独自のサービスなので、その部分でよく比較して選んでみるといいだろう。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

この筆者の記事を見る

【関連記事】
人気ゴールドカードの比較ランキングTOP10!
ゴールドカードを持つメリット・デメリットは?
旅好きがチェックしたい「SPGアメックスカード」の特徴
ANAゴールドカード5種を比較年会費無料のゴールドカード5選 各クレジットカードのメリットを比較