企業がSNSマーケティングを行うときの注意点

SNSマーケティングは戦略を練ったうえで運用すれば、企業ブランディングや商品・サービスの売上に繋がります。その一方で、注意するべきポイントもいくつかあります。3つの注意点を理解したうえでSNSマーケティングを行いましょう。

炎上のリスクがある

企業がSNSマーケティングを行う際にもっとも注意しなければならないのが炎上リスクです。過去に複数の企業でSNSをきっかけとした炎上が発生しています。特に、拡散性の高いX(旧Twitter)では炎上がすぐに広まってしまうため、注意が必要です。

炎上リスクを避けるには、運用ルールを定めるほか、部署内でのコンテンツのWチェックを徹底することが大切です。それに加えて、万が一炎上してしまった場合の対応方法についてもルールを決めておきましょう。

SNSでの炎上はいつ、何をきっかけに起こるかわからないものです。自社内での運用ルールや対応がしっかりしていれば、万が一炎上してしまっても冷静に対処できます。

各SNSにあったコンテンツの作成が必要

SNSマーケティングでは、各SNSの色にあったコンテンツを作成する必要があります。つい1つのコンテンツを転用してしまいがちですが、それでは効果を最大化することはできません。手間はかかりますが、各SNSの特徴を理解し、いいねが付いたりシェアされたりしやすいコンテンツを作成するように意識しましょう。

SNSマーケティングの担当者は多くの場合、他の業務を兼務しています。コンテンツの使い回しを防ぐには、コンテンツの作成カレンダーを用意し、早い段階から準備を進めるのがポイント。1人で全コンテンツを作るのは難易度が高いので、協力者を募り複数人でコンテンツ制作を進めましょう。

長期的な運用が必要

SNSマーケティングはすぐに効果が出るものではありません。コンテンツの設計から作成、投稿、効果検証までPDCAを回して少しずつ効果を高めていくのがSNSマーケティングの基本です。そのため長期的な運用が必要とされます

SNSマーケティングは目的を設定することも大切です。なんとなく運用を始めて、闇雲に投稿するだけでは効果は出ません。何を目的に運用するのか明確にしたうえでアカウントを作成し、長期的なマーケティング戦略を策定してから運用を行いましょう。

SNSマーケティングで活用するSNSの特性

SNSマーケティングは各種SNSの特性を理解したうえで行うのが基本です。InstagramやX(旧Twitter)をはじめ、主要なSNSの特性をわかりやすく解説します。

Instagram

Instagramは写真や動画をメインとしたSNSです。2022年の10〜12月の月間アクティブ利用者数は37億4,000万人を超えています。日本国内での月間アクティブ利用者数は2019年時点で3,300万人です。利用しているユーザーは10〜30代の男女がメインと言われています。

24時間で投稿が消えるストーリーズ機能や短尺動画のリール機能がローンチされるまではフィード投稿がメインでしたが、2023年時点ではストーリーズやリールを使うユーザーが増えています。特に、90秒の短尺動画を楽しめるリールは一般ユーザーからクリエイター、企業まで、多くのアカウントが利用しているメイン機能となっています。

参考:Meta 2022年第4四半期(10月-12月)業績ハイライト

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破

参考:INSTAGRAMリール

X(Twitter)

X(旧Twitter)は、テキストベースの投稿をメインとしたSNSです。2023年7月24日にTwitterから「X」にSNS名が改名され話題となりました。月間利用者数は4.5億人を超えています。日本国内における月間利用者数は明らかにされていません。ユーザーは20〜40代がメインと言われています。

X(旧Twitter)はリアルタイムに起きたことが投稿される傾向があります。いま話題になっていることがトレンドに上がるため、リアルタイムの情報を集めやすいのが特徴です。リツイートと呼ばれる投稿の拡散機能が搭載されているため、情報の拡散性が高いのもX(旧Twitter)の強みです。

YouTube

YouTubeは、動画をメインとしたSNSです。長尺から短尺までさまざまな動画を投稿でき、閲覧や共有をして楽しめます。世界で約25億人が利用しています。日本の月間ユーザー数は2022年時点で約7,000万人です。性別や年齢を問わず幅広いユーザーが利用しています。

Youtubeは長尺かつ横型の動画がメインのSNSとして立ち上げられましたが、YouTubeショートがローンチされた現在では、短尺かつ縦型の動画の視聴が増加しています。短尺動画を楽しみつつ、気になった動画は長尺で楽しむという使い方が主流となりつつあります。

参考:statista「2023 年 7 月時点で世界中で最も人気のあるソーシャル ネットワークを月間アクティブ ユーザー数でランキング」

参考:Google「YouTube をマーケティングのヒントに」

参考:Google「2023 年の YouTube 視聴はますます多様に」

TikTok

TikTokはショート動画をメインとしたSNSです。2017年に日本でリリースされてから利用者数が伸びており、2023年時点での日本の利用者数は約2,200万人です。リリース当初こそZ世代からの人気が高かったTikTokですが、現在は学生から社会人まで幅広く見られているプラットフォームとして成長しています。

TikTokは投稿しているユーザーよりも閲覧しているユーザーが多くいるのが特徴です。移動や仕事の合間に閲覧している方が多く、面白いコンテンツやお役立ちコンテンツが好まれる傾向にあります。

参考:statista「2023年7月時点 ティックトック(TikTok)の利用者数が最も多い国」

参考:TikTok「TikTok for Business デジタルメディアインサイトレポート」

Facebook

Facebookは実名登録制のSNSです。2022年1月時点での世界での月間アクティブユーザー数は約29億人を超えており、SNSサービスのなかでももっともユーザー数が多いのが特徴です。日本での月間アクティブユーザー数は2019年時点で約2600万人に達しています。30代以降の年齢層が主なユーザーです。

実名登録制のため、自身のライフイベントを投稿したり、日記のような使い方をしたりするのが一般的。事業者向けに「Facebookページ」という機能が搭載されており、企業ページとして情報を発信したり、集客をしたりすることにも使えます。

参考:総務省「第2部 情報通信分野の現状と課題」

参考:CNET Japan「フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」--独占ロングインタビュー」

LINE

LINEはチャットベースのコミュニケーションが可能なSNSです。日本国内の月間アクティブユーザー数は、2023年6月時点で9,500万人に達しています。男女比や女性がやや多いのが特徴。年齢は10〜60代まで、各年代による偏りはありません。

LINEは知り合いとの連絡ツールとして使われていることがほとんどです。各種SNSに比べてアクティブに使っているユーザーが多いのも特徴です。

参考:LINE キャンパス「LINEのユーザーはどんな人?」

LinkedIn

LinkedInはビジネスに特化したSNSです。日本ではまだあまり知られていませんが世界的に見ると利用者は多く、「世界最大級のビジネスSNS」と呼ばれています。2023年5月時点で、世界の月間アクティブユーザー数は9億3000人を超えています。日本の月間アクティブユーザー数は300万人です。

LinkedInのユーザー層は学生から社会人まで幅広いのが特徴です。特にアメリカでは、高校生のうちからLinkedInのアカウントを開設し、企業の情報収集や就活に役立てられています。日本でも徐々にその使い方が広まりつつあります。

参考:ITmediaビジネスオンライン「世界9億人超が利用する「LinkedIn」とは? つながりの構築からリスキリングまで、日本法人新トップに効果的な活用方法を聞いた」