最後じゃないけど最強?!エボIX MR/エボワゴンMR(2006年・CT9A/CT9W)
ベースのランサーセディアはまだ継続販売していましたが、セダンの販売不振により2007年にはランサーとギャランを統合、両者の中間的な車種を「ギャランフォルティス」(海外名はランサーなどまた別)として販売が決定。
ランエボもその新型をベースにするため、第3世代ランエボもついに優秀の美を飾ることとなり、エボIX MRがセダン、ワゴンともに発売されました。
これまで、なんだかんだでランサーとともに歩んできた「ランサーエボリューション」の集大成とすべく、エンジンやタービン、サスペンション、ACD、AYCといった細かい部分のセッティングや制御を改めてエボIXのネガを可能な限り潰した決定版。
次のエボXが新型エンジンを積んでパワフルになったとはいえ、大きく重くなったネガの方が大きく、競技によっては最低重量を50kgオマケしてもらう「特例」までつくほどでしたから、ハンデなしではこのエボIX MRが、「最後じゃないけど、最強のエボ」です。
最強かつ高年式ということで中古車相場も高く、今後も最強のランエボという事で、競技からストリート、あるいはコレクター向け投資物件として、価値が大きく下がることはないでしょう。
最後は豪華高級路線も…エボX(2007年・CZ4A)
日本名「ギャランフォルティス」をベースとしながら「ギャランエボ」を名乗るでもなく、特例でランエボを名乗り続けた最後のランエボ。
エンジンは伝家の宝刀4G63からついに最新の4B11・2リッターDOHC MIVECターボとなり、エンジンスペック上は歴代最強ながら、大きく重いボディで競技用最強マシンというよりは、ライバルのスバルWRX S4同様、ラグジュアリーGT的な性格も与えられました。
MTも5速だけとなり、6速はGSR/GSRプレミアム向けのDCT(デュアルクラッチトランスミッション)、「SST」のみとなっており、モデルチェンジでMTの変速段数が減るという珍しい例。
競技ベース車の「RS」も設定されていますが、ジムカーナやダートトライアルではエボIX MRなどの第3世代CT9A系を完全に置き換えるに至らず、GRヤリスの登場でむしろ短命に終わりそうですが、高性能ラグジュアリーセダンとしての価値は今後も高そうです。
2015年4月には歴代最強の313馬力へパワーアップしたほか、装備も充実した「ファイナルエディション」の予約を開始、そのデリバリーを終えるとともに、ランサーエボリューションの歴史も閉じました。