山形県では10年前に比べて2割近い下落

 とはいえ、地域選びを間違うと、資産価値が低下する可能性がないとはいえないので注意が必要です。先の10年騰落率の図表3にあるように、山形県は-19.8%で、山梨県は-4.7%となっています。山形県で10年前にマンションを買った場合、2割近く資産価値が低下してしまったことになります。山形県では、2020年1月に山形市中心部にあった地元老舗百貨店が経営破綻、閉店によって、当時として全国都道府県で唯一の百貨店なしの県になりました。日常の買い物は郊外のショッピングセンターに、高額品の買い物は仙台市の百貨店まで出かける人が増え、中心市街地の活気が失われ、その周辺などに多く存在するマンション価格も低下してしまったわけです。

 10年騰落率がワースト2の山梨県は、東京都に隣接していながら、平均価格が全国一安く、騰落率も低い水準にとどまっています。東京に近すぎることが仇になっているのかもしれません。いずれにしても、東京の郊外や地方にマンションを求めるに当たっては、現在の価格水準とともに、騰落率にみる今後の資産価値上昇の可能性とのバランスを考慮、どこに拠点を定めるのがいいか慎重に検討したいところです。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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