経堂の年間上昇率は17.9%、碑文谷は17.4%

 調査地点別の地価の年間上昇率をみると、図表2にあるように、世田谷区経堂3丁目が17.9%のアップで、次いで目黒区碑文谷4丁目が17.4%の上昇となっています。この2地点のみ17%台で、3位以下は14%台以下となっていて、かなり差がついています。

 上昇率トップの経堂3丁目は、小田急小田原線の経堂駅の北側にあって、駅前の喧騒から少し離れた閑静な住宅地です。経堂駅は小田急の快速急行は停まりませんが、急行、準急、各駅停車を利用でき、新宿駅までは急行で約12分。下北沢駅で京王井の頭線に乗り換えれば渋谷駅も10分ほどですし、代々木上原駅で東京メトロ千代田線に乗り換えることで、表参道駅や霞が関駅、大手町駅などの都心のビジネス街にも簡単にアクセスが可能です。駅周辺には複数の商店街が形成され、若者を中心に活気のある街並みが形成されていましたが、狭い道や一方通行区間が多く、クルマが通り抜ける際の難所となっていて、タクシー運転手の世界では、「経堂迷路」と呼ばれていました。それが、駅前に2011年に小田急が開発した「経堂コルティ」が竣工して、飛躍的に利便性が向上し、街並みもスッキリしました。

世田谷区・経堂、住宅地価上昇1位の人気の理由…足立区・葛飾区の一部は下降
(画像=(資料:野村不動産ソリューションズ「ノムコム」),『Business Journal』より 引用)