粉チーズ有料化の影響

 コスト削減の一環もあってか7月のメニュー改定に伴い、サイゼリヤは粉チーズの有料化(税込100円)を行った。筆者の印象では店内で粉チーズを使っている客は見かけず、有料化する意味はないのではと思ったのだが、この点についても稲田氏に聞いてみた。

 まず、サイゼリヤの客層を大きく分けると(1)低価格ファミレスとして利用する層と、 (2)極めて個性的なイタリアンレストランとして利用する層に分かれるという。(1)は文字通り安さを求める客層であり、(2)は純粋にイタリアンを楽しむ層である。そして、これまで無料提供していた粉チーズは(2)を対象にしたサービスであるとのこと。特に(2)層のなかにはチーズを1本まるごと使い切るような消費者もいるようだ。グランモラビアチーズの価格が非常に高騰している現在、チーズ利用客の原価が100円単位で上昇している可能性もあり、有料化に踏み切ったと見られる。その他、客層を(1)に絞り込む意図もあるのではないかと稲田氏は言う。