1. ストックで見る家計の金融資産

    最後にストック面での家計の金融資産・負債の状況を確認してみましょう。

    図10 金融資産・負債差額 家計 1人あたりOECD統計データ より

    図10は各国の金融資産・負債差額の比較です。

    対GDP比ではなく人口1人あたりのドル換算値となります。

    日本は1990年代にアメリカを抜き高い水準に達しますが、その後の増加傾向は緩やかで、近年ではイギリスやカナダと同程度です。

    ただし、ドイツ、フランス、イタリアなどよりは多く、主要国の中で比較的金融資産の多い国となります。

    図11 家計 金融資産 現金・預金 1人あたりOECD統計データ より

    図11は家計の金融資産のうち、現金・預金の水準です。

    日本の家計はバブル期に大きく他国と差をつけていますが、さらに1995年に向けてもう一段極端に増加しています。

    その後も増加傾向が続いていますが、比較的他国と同じくらいの成長度合いです。

    日本の家計の金融資産は現金・預金が約半分ですが、その多くはバブル期・ポストバブル期に蓄積されたと考えられそうですね。

    そしてその多くは高齢層が保有しているという事になります。