1. 家計の金融勘定:イタリア、カナダ

    最後にイタリアとカナダです。

    図6 イタリア 家計 金融勘定 対GDP比OECD統計データ より

    図6がイタリアのデータです。

    他の主要国と比較するととても特徴的ですね。

    現金・預金の割合が小さく、プラス側でもマイナス側でも債務証券の存在感が大きいですね。

    1998年に債務証券を売却し、株式等が大きく増えている挙動が特徴的です。

    自国の国債なのか、他国の国債なのか、企業の事業債なのかよくわかりませんが、1998年とリーマンショック以降で債務証券を売却する挙動が見られ、資金過不足もアップダウンしています。

    企業や政府、海外の金融勘定を見ると判明するかもしれませんね。

    2005年頃までは資金過不足が5%以上プラスな時期が多く、比較的家計の金融資産が増える時期が多かったようです。

    リーマンショック以降は2~3%程度に低下しています。

    図7 カナダ 家計 金融取引 対GDP比OECD統計データ より

    図7がカナダのデータです。カナダも特徴的ですね。

    金融資産は安定して5~8%程度で推移しています。

    一方で負債が多く、金融資産の株式等もマイナスが多いです。

    さらに、金融資産のうちその他が大きくマイナスの期間が継続していて、全体の資金過不足を大きく引き下げていますね。

    これが何なのか、OECDのデータから見るとわかりません。

    日本の資金循環統計を参考にするならば対外証券投資、雇用者ストックオプションなどが考えられそうです。

    カナダの家計の純金融資産は増え続けていますので、価格変動のする金融資産を売却しているという挙動を表すものと思います。

    とても特徴的なので、機会があれば深堀してみたいですね。