1. 政府の金融勘定 対GDP比

    続いて政府の金融勘定を見ていきましょう。

    図3 日本 政府 金融勘定 対GDP比日本銀行 資金循環統計、 OECD統計データ より

    図3が日本の政府の金融勘定 対GDP比のグラフです。

    1991年までは金融資産が対GDP比で3~6%ですが、負債が徐々に減っていき黒字主体化していきます。 その後1998年にかけて赤字主体化していき、1998~2004年頃で赤字水準の大きな時期が続きますね。

    対GDP比7~10%の水準が7年間ほど継続したようです。

    後日判明すると思いますが、この期間に政府がここまで赤字主体化しているのは主要国で日本だけです。

    この期間に累積した政府の負債が、現在の負債の中でも大きな割合を占めます。

    その後2007年にかけて資金不足状態は解消していきますが、2008年からまた増大します。

    リーマンショックを機に政府の支出が増えた時期ですね。

    政府の負債は大部分が債務証券(国債)となります。

    また、2001年から2007年ころまでに、金融資産のうち現金・預金や財政融資資金預託金を減少させている期間が見受けられます。

    その分だけより資金不足状態となっているわけですが、このあたりの挙動は私にはわかりかねますので、どなたかに是非ご教示いただきたいですね。

    対GDP比3~5%と比較的大きな割合となります。

    日本銀行「資金循環統計の解説」では、「財政融資資金預託金」は次のように説明されています。

    財政投融資特別会計の財政融資資金勘定が、他の特別会計や公的機関などから受け入れる預託金であり、公的金融機関貸出等、財政投融資の原資となるものである。

    また、「財政投融資」は財務省の説明によれば次のようなものとなります。

    税負担に拠ることなく、国債の一種である財投債の発行などにより調達した資金を財源として、政策的な必要性があるものの民間では対応が困難な長期・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施を可能とするための投融資活動です。