アメリカのオピオイド禍の深刻さは、製薬会社や医師たちがこれだけ悲惨な犠牲者の出る問題を、自分たちが呼び水となってつくり出しているところにあります。
さらに、本来そうした行為を取り締まるべきアメリカ食品医薬品局(FDA)もアメリカ国立衛生研究所(NIH)も完全に製薬会社や病院協会や医師会から受け取るワイロに取りこまれて、国民大衆による追及から製薬業界や医師たちを守る役割を果たしています。
その結果、アメリカ国民は世界一多額の医療費負担をしていながら、平均寿命は先進諸国の中で唯一80歳を大幅に割りこみ、発展途上国並みの水準にとどまっているのです。
アメリカが贈収賄を正当で合法的な政治活動と見なすロビイング規制法という悪法を廃棄しないかぎり、軍事産業や医薬品産業がコネとカネで政治・経済・社会を歪め続けることを阻止できないのではないかと、私は思っています。 ■
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編集部より:この記事は増田悦佐氏のブログ「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」2023年5月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」をご覧ください。