朝日新聞などの左翼メディアや野党は「私や妻が関係していたら、首相も国会議員も辞める」という安倍首相の発言を問題視し、国有地売却には安倍首相が関係しているかのような疑惑報道を続けてきましたが、産経新聞・阿比留瑠偉記者が指摘しているように、赤木ファイルが示していた事実は、国有地売却の意思決定に影響を与えたのは「安倍氏への忖度」ではなく、作業量の減少が期待できる「野党からの追及の回避」であったことです。
しかしながら、日本の多くのマスメディアはこの事実認定を積極的に報じることなしに、現在に至っても国有地売却の原因は、官僚の安倍氏への忖度であったと結論付けています。これは明確なチェリー・ピッキングです。
<事例2c>東京新聞 2022/09/28
■社説 「安倍政治」検証は続く 分断の国葬を終えて
「安倍一強」の定着とともに発覚した森友・加計両学園や「桜を見る会」を巡る問題ではいずれも安倍氏ら政権中枢に近い人物や団体の優遇が疑われ、公平・公正であるべき行政は大きく傷ついた。
側近議員や官僚による安倍氏らへの「忖度(そんたく)」が横行し、森友問題では財務省は公文書改ざんに手を染め、改ざんを指示された担当者が自死する事態にもなった。
(中略)
これらの問題はいずれも真相解明に至っていない。安倍氏が亡くなっても不問に付さず、解明に努めるのは国会の責任だ。
反証側である政府は、赤木ファイルを公開したことで、傍証となる「ないこと」の【説明責任 accountability】を既に果たしています。もちろん「ないこと」の証明である【悪魔の証明 probatio diabolica】を政府に科すことは、反証側の人権を無視した【魔女裁判 witch trial】と言えます。東京新聞は「真相解明に至っていない」と主張するのであれば、本証側として「あること」の【立証責任 burden of proof】を果たさなければなりません。[立証責任の転嫁]こそ無責任極まりない行為に他なりません。
<事例3>ジャニーズ所属タレントの性被害報道
<事例3a>デイリー新潮 2018/04/11
■財務省トップがセクハラ発言
森友問題の収拾に追われる財務省に、トップの信じ難い醜聞が持ち上がった。福田淳一事務次官(58)が繰り返していたセクハラ発言の数々―――。(中略)
福田次官の“セクハラ体質”については複数の被害者からの証言が寄せられていて、「“彼氏はいるの?”と聞かれたので1年ほど付き合っている人がいると答えると、“どのくらいセックスしてるのか?”と聞かれ、相手が電通マンだと知ると、“それはお前、遊んで捨てられるぞ”と暴言を吐かれました」(大手紙記者)「“キスしていい?”は当たり前。“ホテル行こう”って言われた女の記者だっている」(別の大手紙記者)
記者にとってみれば、財務事務次官は貴重な情報源。福田次官の振る舞いは、自身の立場を利用した、セクシャル・ハラスメントに他ならない。さらに、以下のような会話も。
福田 胸触っていい? 記者 ダメですよ。 福田 手しばっていい? 記者 そういうことホントやめてください。 あるいは、森友問題にまつわる“真面目な”やりとりの最中でも・・・。 記者 昭恵さんの名前あったからじゃないですか? 福田 デリケートな話なんだよ。それは直接関係ないと思うけど・・・。 記者 はい。 福田 おっぱい触っていい?
これは、いわゆる「財務省セクハラ騒動」と呼ばれるものであり、テレビの情報番組やワイドショーがメディアスクラムを組んで、財務省事務次官と麻生財務大臣の人格を徹底的に攻撃しました。
<事例3b>テレビ朝日『報道ステーション』 2018/04/12
富川悠太アナ:麻生大臣は福田次官を処分しない。調査もしないということですね。
後藤謙次氏:今日の動きを見ていても麻生大臣の一連の動きに対する感度の鈍さに呆れてしまう。セクハラの問題は世界的な潮流を見てもどれほど厳しい空気が支配しているかを敏感に察知して先手を打つというのが政治家、とりわけ副総理というリーダーのやるべき態度だ。しかも森友問題で国税庁長官という財務省No.2が空席だ。その上のトップがこういう疑惑にまみれたということになれば、当然大臣とすれば人事権を行使するという場面だ。
<事例3c>TBSテレビ『サンデーモーニング』 2018/04/15
大崎麻子氏:財務省幹部のセクハラ疑惑は事実だとしたら非常に性差別的な感覚・振る舞いだと思うし、調査もしませんという姿勢はセクハラを容認する。とるに足らない問題と見ている。職場のセクハラは撲滅していかないといけない。
目加田説子氏:麻生大臣に疑いたい、自身のお嬢さんなどが同じようにセクハラ行為を受けて看過できるのか。あまりにも他人事だし、被害者に対して寄り添う、あるいは悪いことをしてしまったという意識を組織としても感じられない。政府のトップが率先して悪しき前例を作っている。泣き寝入りしなさいと。いくら言ったって最終的には報われないと。本当に罪深い。