チェリー・ピッキング
Cherry picking / Card stacking / Arrant distortion / One-sided argument
自説に好都合な情報のみを与えて自説に不都合な情報を隠す
<説明>
人が合理的に行動の意思決定を行うにあたっては、その行動によって期待される収益である【ベネフィット benefit】と期待される損失である【リスク risk】の両面を分析・比較し、その可否を判断するのが一般的です。この際に、ベネフィットあるいはリスクのみの情報しか与えられていない場合、人は合理的な判断を行なえないことになります。「チェリー・ピッキング」とは、自説に好都合な情報のみを一方的に与えて自説に不都合な情報を隠すことで、自説に好都合な意思決定をするよう人を操作するものです。
誤謬の形式
論者Aに都合がよい事実FAと都合が悪い事実FBが存在する。 論者Aは事実FBに触れず、事実FAのみを提示する。 情報受信者は事実EAのみに基づいて論者Aに都合がよい意思決定に至る。
<例>
<例>
A君:僕はイジメを許さない。さっきもイジメられていたB君を助けてあげました。 先生:さっき、C君が「A君にイジメられた」と先生に助けを求めにきましたよ。
A君は、自分に都合がよい事実のみを先生に話すと同時に、都合が悪い事実を隠し、先生に誤った評価をさせようとしました。