「割引」に目がくらんで不要なものを購入

「30%割引」「定価から半額」といったシールが貼られている商品を見ると、つい買いたくなる。定価で買うよりもお得なのだから仕方ないが、ちょっと待ってほしい。本当にその商品を買うべきだろうか。

必要な商品が割引されている時は、「ラッキー!」と思って買っても構わない。しかし、買うつもりが商品だった場合は、買うべきか考えてほしい。お得に買えたとしても、その商品を消費せずに終われば、ただの無駄遣いでしかない。

どうしても割引シールに目がくらんでしまう人は、買い物に行く前に「買うものリスト」を作り、そのリストに載っていないものは買わないと心に誓おう。

「2個買えば1個無料」にも注意

割引系の事例に似たものに「2個買えば1個無料」といった謳い文句で購入意欲を高めるPR手法があるが、こちらも要注意。1つ無料でもらえるのだから家計の節約につながる気がするが、割引シールのケースと同様に、その商品が今すぐ必要ではなかったらどうだろうか。

例えば歯磨き粉。「いずれ使うから」と思うかもしれないが、半年、1年後、2年後にあなたが使いたい歯磨き粉は変わっているかもしれない。あくまで一例だが、フッ素配合の歯磨き粉にこだわっていなかったあなたが、数年後にフッ素配合の歯磨き粉しか使わなくなっているかもしれないのだ。「2個買えば1個無料」で買った歯磨き粉がフッ素配合ではない商品だった場合、結局使わずに終わる。これでは節約ではなく、無駄遣いだ。

「高機能家電」を購入しないでいると…

冒頭でも触れたが、「時間」というコストにもぜひ気を配ってほしい。お金がかからない、もしくは出費が少なくても自分の時間を奪う、もしくは浪費することは、なるべく避けたほうがよい。

例えば家事。ほとんどの家事は人の手によって行われるが、近年は高機能家電が登場し、家事を人間の代わりにやってくれるようになった。自動お掃除ロボットや食洗機などだ。

これらの高機能家電は通常の家電よりも高いが、最近はかなり安くなっている。それでも高機能家電を購入しないでいると、お金は節約できても「自分が家事に費やしてきた時間」を減らすことはできない。

同様に「家事代行サービス」を使うことは自分の時間の節約につながる。自分の時間が増え、それを睡眠時間に充てれば仕事のパフォーマンスが上がり、以前よりも多く稼げるようになって家計が楽になるかもしれない。

エアコンのオン・オフにこだわり過ぎると…

節約だと思ってエアコンのオン・オフを何度も繰り返すと、かえって電気代がかさむことがある。一般的に、エアコンは起動時に多くの電気を消費するからだ。

自宅にいて、自動温度調整機能が備わっているエアコンであれば、つけっぱなしにしておいたほうがよいというのが通説だ。ただし、長時間外出する場合はエアコンを消したほうがよい。

「出費が減る=節約になる」は時に誤り

いくつかの事例を紹介したが、実は「出費が減る=節約になる」という方程式が成り立たないケースがあることがわかっただろう。

賢く節約をする人は、これから行う行為が家計にとって、そして自分の時間にとって本当にプラスになるのかどうかを考える。出費を減らすことにこだわり過ぎず、あなたが本当にすべき節約が何かを自分なりに考えよう。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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