投資で大損、こんなはずでは……

副業のつもりで資産運用を始める人は少なくない。資産運用を副業と呼んでよいかわからないが、投資はやり方によっては大きな損失を招く。

ある40代の会社員男性は2021年末、Twitterで「レバナス」というETF(上場投資信託)が人気であることを知った。アメリカのテクノロジー銘柄にレバレッジをかけて、幅広く投資する金融商品だ。

このレバナスに男性は500万円を投資したが、2022年にレバナスは大暴落した。1年間で約80%も下がり、男性の資産は500万円から100万円に減った。

甘い気持ちでビジネスを始めた結果……

会社員としては優秀でも、個人事業主としてビジネスを始めた場合、必ず成功するとは限らない。求められる素養やスキルが異なるからだ。そのため、副業として新たに自分でビジネスを立ち上げる場合は要注意だ。

ある会社員は貯めていた1,000万円を使い、今はやりの「ゴーストキッチン」を開業した。フードデリバリーサービス向けに料理を提供する形態のビジネスで、物件を借りてキッチンにも資金を投じ、自分が動かなくても済むように従業員を雇用した。

しかし、同じエリアでゴーストキッチンビジネスを始める人が増えたため、注文が思うように入らなかった。結局ゴーストキッチンを廃業することになり、立ち上げるために使ったお金のほとんどは水の泡になってしまった。

高収入な副業を探していたら…

副業を始める際、多くの人は「効率的に儲かる副業はないだろうか」と考えるだろう。もちろん、楽に稼げる副業が見つかればそれに越したことはないが、世の中は甘くはない。正社員として働く場合と同じで、楽に儲かる仕事はそうそうない。

そんな心理につけ込む詐欺もあるので注意してほしい。「1ヵ月で100万円!」「年収以上を稼げます!」。このような謳い文句でインターネット広告などを出し、問い合わせてきた人に「準備金」などとしてお金を振り込ませ、その後連絡を絶つという手口だ。

1万〜2万円程度の被害であれば「勉強代」と思えるかもしれないが、中には数十万円を振り込んでしまった人もいる。

情報商材で大金を失ってしまった……

前述のケースと似ているが、「情報商材」に引っかかってしまう人もいる。情報商材とは、「楽して儲ける方法を限定公開中!」などとあおり、インターネット広告などを通じて「マル秘情報」を50万円や100万円という金額で販売しているものだ。

高いお金を払って情報商材を購入したのに、肝心の情報が薄っぺらく、その情報を使ってもまったく稼ぐことができないというケースは少なくない。

リスクを回避することを意識しよう

この記事では、副業破綻や副業詐欺といったテーマで事例を紹介した。記事を読んで「自分は大丈夫!」「引っかかるのは頭の悪い人」と思ったかもしれないが、実際にこのような状況に陥る人は後を絶たない。では、どうすればこのような事態を回避できるのだろうか。

まずは「リスク」を意識してほしい。副業の初心者であれば、まずは出費を伴わずに「労働」でお金を稼ぐことから始めるのが賢明だ。得られる報酬は少なくても、自分の時間がお金に変わっただけなので被害はない。

しかし、初期投資として自らの資産から高いお金を払ってしまったら、副業のスタート時点で大きなリスクを負うことになる。少なくとも投資した分は稼がないと、副業を始めたのに資産は減ってしまう。

「まずはリスクを回避」。副業を始めるなら、この言葉を胸に刻んでほしい。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

【関連記事】
サラリーマンができる9つの節税対策 医療費控除、住宅ローン控除、扶養控除……
退職金の相場は?会社員は平均いくらもらえるのか
後悔必至...株価「爆上げ」銘柄3選コロナが追い風で15倍に...!?
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング|手数料やツールを徹底比較
1万円以下で買える!米国株(アメリカ株)おすすめの高配当利回りランキングTOP10!