どのような業界が商機を見出している?

では、どのような業界が「脱マスク」の流れを商機と捉えているのだろうか。具体例を挙げると、化粧品業界やホワイトニング業界、ヒゲ脱毛業界、飲食業界、婚活業界などだ。

恩恵が最も大きいのは化粧品業界?

「マスクをしていると、化粧の手間が少なくて済む」──。新型コロナウイルスの感染が拡大していた頃、会社勤めの女性などからこのような声が聞かれた。マスクで顔の下半分が隠れるため、コロナ前よりも化粧をする手間が減ったわけだ。

脱マスクが進むと、このようなメリットがなくなる。以前のように、しっかり化粧をしなければいけなくなるからだ(※編注:女性にメイクを強いる意図はなく、日常的に化粧をする人にとっては……という意図です)。

となると、化粧品業界が恩恵を受けるのは明らかだ。化粧品用品の販売は、今後大きく伸びるだろう。

ホワイトニングとヒゲ脱毛

ホワイトニング業界では、脱マスク後に売上が伸びることを期待している企業が少なくないらしい。前述の「化粧品業界」における商機と似ているが、マスクをしていると他の人に歯を見せるシーンが減る。しかし、脱マスクが進むと歯を見せなければならない場面が増える。

そのため、脱マスクを機に歯のホワイトニングを始める人が増えそうだ。同様の理屈で、ヒゲ脱毛を始める男性も増えることが予想される。

マスクをしていれば無精ヒゲのままでもヒゲをそり残していても、あまり気にする必要はなかった。しかし、脱マスクとなればヒゲの処理を意識するようになる。「この機会にヒゲ脱毛でもしてみるか」──。このような考えが浮かぶわけだ。

飲食業界、街に人が増えれば……

脱マスクの流れは、人が外に出ることを後押しするだろう。しかも、これからは春・夏と季節的に出かけやすくなる。

街に人が出るようになれば、飲食店を訪れる人も増える。店舗によっては「店内ではマスク着用をお願いします」と任意でマスク着用を求めるケースもあるかもしれないが、それでも街に繰り出す人が増えれば来店客数は伸びるだろう。

婚活業界の「稼ぎ時」がやってくる?

マスクをしていると、やりにくいことがある。その一つが「婚活」だ。コロナウイルスの感染が拡大していた頃は、お見合いでは最初の挨拶の時だけマスクをはずし、それ以外はマスク着用で会話をすることもあったようだ。

人と人のコミュニケーションにおいて、「表情」は非常に重要な要素だ。マスクを着けていると表情がわかりにくいため、お見合いが盛り上がりに欠けたり、フィーリングをつかめなかったりするケースもあった。

脱マスクが進むと、このようなことがなくなる。コロナ禍でダメージを受けた婚活関連サービス企業には、これから稼ぎ時が訪れるかもしれない。

ニーズはガラッと変わる

コロナ禍では、「巣ごもり需要」がさまざまな業界に恩恵を与えた。フードデリバリーやネット通販、ゲーム、クラウドサービスなどだ。しかし、脱マスクが進むと人々のニーズはガラッと変わる。化粧品業界の企業などは、今後好決算となる可能性が高いだろう。

「マスク必須」で儲かったビジネスもあったが、次は逆に「脱マスク」加速で儲かる業界が出てくるだろう。どのようなビジネスに追い風が吹くのだろうか。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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