これからつみたてNISAを始めようと考えている人の中には、SBI証券と楽天証券どちらにしようか迷っているという人もいるだろう。ここでは商品、積立設定、決済方法、ポイント制度、ツール、サポート体制など、初心者がつみたて投資を始める際にチェックしたい6つの項目に沿って、2大ネット証券を比較していこう。

目次
1.つみたてNISAの口座選びで注目したい6つの比較ポイント
2.比較ポイント1,対象商品数の違い
3.比較ポイント2,積立設定の違い
4.比較ポイント3,決済方法の違い
5.比較ポイント4,ポイントサービスの違い
6.比較ポイント5,提供ツールの違い
7.比較ポイント6,サポート体制の違い
8.SBI証券と楽天証券のどちらがおすすめか?

1.つみたてNISAの口座選びでチェックしたい6つのポイント

まずは、つみたてNISAを始めるにあたって金融機関を選ぶ際のポイントを確認しよう。

つみたてNISAの金融機関を比較する際の6つのポイント

つみたてNISAでSBI証券と楽天証券を比較する際のポイントは、「対象商品」「積立設定」「決済方法」「ポイント制度」「ツール」「サポート」の6点だ。

「手数料が一番気になる」という人もいるだろうが、SBI証券か楽天証券でつみたてNISAの口座開設を検討している場合、手数料を気にする必要はない。

つみたてNISAの取引手数料 SBI証券と楽天証券で変わらない

つみたてNISAの対象商品は、投資信託とETF(上場投資信託)だ。SBI証券と楽天証券のつみたてNISA対象商品は、投資信託のみである。両社の取引手数料を比較してみよう。

SBI証券 楽天証券
買付時手数料 無料 無料
解約(売却)時
手数料
商品により
信託財産留保額がかかる
商品により
信託財産留保額がかかる

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成
 

つみたてNISAの取引手数料は、SBI証券と楽天証券で違いはない。投資信託の解約時にかかる信託財産留保額は商品ごとに設定されているため、どちらで取引をしても同じだ。

信託財産留保額とは投資信託を解約する際に投資家が負担する費用であり、解約代金から差し引かれる形で徴収される。つみたてNISA対象商品の信託財産留保額は0~0.3%程度であり、0%のものが多い。

つまり手数料は証券会社ではなく、どの商品を選ぶかで決まるため、証券会社選びで考慮する必要はないのだ。

次項では、SBI証券と楽天証券でつみたてNISA口座開設を検討する際に、注目したいポイントを見ていこう。

2.比較ポイント1,対象商品数の違いは?――SBI証券のほうが2本多い

SBI証券と楽天証券のつみたてNISA対象商品数を比較してみよう。

分類 SBI証券
商品数※1
楽天証券
商品数※2
インデックス
運用投信
国内株式 31本 33本
国際株式 48本 49本
バランス 68本 63本
その他アクティブ
運用投信
株式 9本 9本
バランス 5本 5本
合計 161本 159本

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成
※1,2020年7月1日時点
※2,2020年7月20日時点

 

SBI証券は楽天証券よりも、インデックス運用投信が2本多い。

SBI証券だけで取引できる2本の投資信託

楽天証券では取り扱いがないが、SBI証券で取引できる商品は以下の2本だ。

3.比較ポイント2,積立設定の違いは?――SBI証券は毎週に設定することもできる

つみたてNISAの大きな特徴は、積立投資であることだ。どのような頻度で積立ができるかは、口座選びの際の重要なポイントになる。

積立設定 SBI証券 楽天証券
積立頻度 毎日
毎週
毎月
ボーナス設定

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成

楽天証券は毎日・毎月、ボーナス設定もできる

楽天証券のつみたてNISAは、積立頻度を毎日と毎月から選択できる。毎月の場合は「毎月25日」など、積立日を指定する。

ボーナス設定では年2回、指定した月に積立ができる。年間の積立金額を上限の40万円まで使い切りたい場合は、ボーナス設定を積立金額の調整に利用するといいだろう。

SBI証券は毎日・毎月・ボーナス設定に加えて毎週を選択できる

SBI証券では、毎日・毎月・ボーナス設定に加えて毎週の積立もできる。毎週の積立にする場合は、曜日を指定する。

SBI証券には「NISA枠ぎりぎり注文設定」もあり、これを有効にすると投資可能枠に収まる金額に調整してくれるので便利だ。

楽天証券では増額設定はできるが、SBI証券のように自動で枠ぎりぎりまで調整してくれる機能は現在のところない。積立設定の面では、設定が多彩なSBI証券に軍配が上がる。

4.比較ポイント3,決済方法の違いは?――楽天証券ではクレジットカードでも決済できる

口座を開設する前に、どのような決済方法があるかも確認しておきたい。

決済方法 SBI証券 楽天証券
証券総合口座
銀行引き落とし
クレジットカード決済 〇(毎日積立は対象外)

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成

SBI証券は証券総合口座・銀行口座引き落としを利用できる

SBI証券でのつみたてNISA積立金額の決済方法は、証券総合口座からの引き落としまたは銀行口座引き落としから選べる。

クレジットカード決済は今のところ対応していないが、2021年2月以降は「三井住友カード」と連携し、積立投信がクレジットカード決済対応になるようだ。三井住友カードのポイントサービスであるVポイントが貯まり、貯まったポイントで投資信託を購入できるようになる。つみたてNISAに対応するかどうかはまだ発表されていないが、注目したい。

楽天証券は楽天カードで積立金額を決済できる

楽天証券でのつみたてNISA積立金額の決済方法は、証券総合口座・銀行口座引き落としだけでなく、楽天カードもある。ただし毎日積立の決済には、楽天カードを利用できない。

積立金額を楽天カードで決済することにより、100円で1ポイントの楽天ポイントが貯まる(毎月の獲得上限は5,000ポイント)。カード支払い情報を家計簿アプリなどと連携すれば、家計管理が便利になるはずだ。

 

楽天証券で口座開設するなら、楽天カードを利用するのがおすすめだ。 楽天証券では、楽天カードでの投信の積立や保有でも楽天ポイントが付与される。楽天カードを持っている人はもちろん、まだ持っていない人もこの機会に新規申込すると良いだろう。
楽天カードでは、現在新規カード発行でもれなく5,000ポイントもらえるキャンペーンを実施中だ。



5.比較ポイント4,ポイントサービスの違いは?――楽天証券のほうが貯まりやすい

ポイントが使えるかどうかもチェックしておきたい。つみたてNISAでのポイントによる買付や、ポイント付与について比較してみよう。

SBI証券 楽天証券
つみたてNISA口座での
ポイント買付
Tポイント利用不可 楽天証券ポイントまたは
楽天ポイントを利用できる
投資信託の買付による
ポイント付与
Tポイント付与対象外 楽天カード決済の場合は
楽天カードのポイント付与対象
投資信託の保有による
ポイント付与
Tポイント付与対象 楽天ポイント付与対象

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成

SBI証券はつみたてNISAの投資信託保有中にTポイントを獲得できる

SBI証券では、つみたてNISA口座での投資信託の積立買付にTポイントを利用することはできない。つみたてNISA口座での買付も、Tポイントの付与対象外だ。ただし対象投資信託を保有しているとTポイントが貯まる。付与率(年率)は以下のとおり。

対象投資信託の
月間保有額
年率
1,000万円未満 0.1%相当
1,000万円以上 0.2%相当

例えば投資信託を100万円分保有していると、1年間で1,000円相当のポイントを獲得できる。

楽天証券はつみたてNISA口座で楽天ポイントを利用できる

楽天証券では、つみたてNISAの積立でも楽天証券ポイントまたは楽天ポイントを利用できる。積立投資を楽天カードで決済する場合は、楽天カードのポイントが付与される。還元率は100円につき1ポイント(1%)。例えば毎月3万円の積立を楽天カードで決済すると毎月300ポイント、年間で3,600ポイントを獲得できる。

投資信託の保有は、楽天銀行と楽天証券の口座連携サービス「マネーブリッジ」および「楽天銀行ハッピープログラム」への登録で投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイントを受け取れる。例えば投資信託を100万円分保有していると毎月40ポイント、年間480ポイントを獲得できる。

ポイントサービスでは、楽天証券のほうがお得度は高いと言えるだろう。

6.比較ポイント5,ツールの違いは?――SBI証券にはつみたてNISA専用シミュ―レーションが

ツールの使いやすさや検索のしやすさは、投資を続ける上で非常に重要なポイントになる。つみたてNISAで活用できるツールを比較してみよう。

利用目的 SBI証券 楽天証券
資産配分や
銘柄選びの参考
つみたてNISA
シミュレーション
銘柄スクリーニング 投資信託パワーサーチ 投信スーパーサーチ

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成

楽天証券は投信スーパーサーチで対象商品を絞り込める

楽天証券でのつみたてNISAに特に役に立つのは、「投信スーパーサーチ」だ。「投信スーパーサーチ」は資産タイプやトータルリターンなど様々な条件で投資信託をスクリーニングできる。

SBI証券はスクリーニング&シミュレーションツールを用意

SBI証券の銘柄スクリーニングツールは、「投資信託パワーサーチ」。こちらも、さまざまな条件で投資信託を絞り込める。

SBI証券には、いくつかの質問に答えるだけで参考になる資産配分や銘柄を提案してくれるつみたてNISA専用のシミュレーションも用意されている。

楽天証券にも「積立かんたんシミュレーション」という投信積立の結果を試算してくれるツールがあるが、つみたてNISA専用ではない。シミュレーションの観点では、SBI証券のほうがつみたてNISA初心者にやさしいと言えるだろう。

7.比較ポイント6,サポートを体制の違いは?――楽天証券には友人チャットも

つみたてNISAのサポートを比較してみよう。利用できるサポートは以下のとおりだ。

コンタクト方法 SBI証券 楽天証券
電話 カスタマーサービスセンター
平日8:00~17:00
(年末年始を除く)※1
会員専用ダイヤル
平日8:30~17:00
(土日祝・年末年始を除く)※1
メール
チャット AIチャット AIチャット、有人チャット

※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成
※1,新型コロナウイルスの影響により営業時間を短縮中

SBI証券のサポートは電話、メール、AIチャットで問い合わせができる

SBI証券のカスタマーサービスセンターは、平日昼間に電話で問い合わせができる。その他、メールやAIチャットでの問い合わせもできる。

楽天証券は電話、メール、AIチャットに加えて有人チャットも利用できる

電話、メール、AIチャットでのサポート体制は楽天証券も同じ。SBI証券と異なるのは、有人のチャットサポートがある点だ。

電話よりも気軽に問い合わせができるので、特に初心者はうれしいだろう。

8.SBI証券がおすすめな人、楽天証券がおすすめな人は?

6つのポイントでSBI証券と楽天証券のつみたてNISAを比較してきた。どちらも一長一短あることが分かっただろう。自分がどういったポイントを重視するかによって、SBI証券と楽天証券のどちらが向いているのかは異なる。

SBI証券がおすすめな人――毎週積立・Tポイント・ツールを重視

つみたてNISAで毎週積立を選択するならSBI証券を選ぶのがよいだろう。投資設定が3種類選べるというのは、ドルコスト平均法のパターンを増やせるということなので、選択肢は多いにこしたことはない。

またTポイントを貯めているなら、投資信託の保有でTポイントを獲得できるSBI証券がよいだろう。

さらにネット証券でも資産運用について証券会社の提案を受けたいなら、つみたてNISAシミュレーションを利用できるSBI証券で口座を開設した方がマッチするはずだ。

楽天証券がおすすめな人――クレジットカード決済・楽天ポイント・有人チャットを重視

楽天カードによるクレジットカード決済を望むなら楽天証券で決まりだ。他にも楽天のサービスを利用しているならば、楽天ポイントが貯まりやすい楽天証券は有力な選択肢となる。

また実際に運用をする中で、ツールの使い方などサポートをしっかりと楽天証券がよい。公式サイトで見つけられない情報や、AIに登録されていない情報でも、有人チャットならスムーズに得ることができることがある、

 

ネット証券界の2大巨頭であるSBI証券と楽天証券。つみたてNISAに関係するサービスではポイント以外に違いがあまりないと思われがちだ。しかしここで紹介してきたように、提供するサービスの差が見られる。つみたてNISA口座を開設する際は、自分はどのポイントを重視するかをしっかりと見極めて、決断を下すようにしたい。

 

松本雄一
執筆・松本雄一
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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