1. 金融機関の金融取引

    続いて金融機関の金融取引について見てみましょう。

    図4 資金循環 フロー 金融機関日本銀行 資金循環統計 より

    図4が金融機関の金融取引のグラフです。

    他の経済主体と異なり、取引額が非常に大きいことと、金融資産の増加と負債の増加が対照的である点が特徴的です。

    資金過不足はゼロに近い水準で推移しています。

    1990年のバブル崩壊に向けて取引量が拡大し、1990年からは急減、2001年から2008年にかけては金融資産と負債が減少する期間があります。

    2010年からは金融資産が増え、負債が増える循環に戻っています。

    やはり2000年から2010年頃の動きが特殊な印象ですね。

    金融機関の金融資産が減るなかで、最も大きな変化は貸出の減少ではないでしょうか。

    つまり、家計や企業が負債を減らしていることになります。図1や図2と見比べてみると、それがよくわかりますね。

    また、それに伴って金融機関の負債も減少している事になります。

    これは他の主体の金融資産が増えているという事を意味しますね。

    このように、金融機関は他の主体の金融資産や負債の増減と対称的に推移していて、金融取引の媒介として機能している様子も確認できます。