1. 政府の金融取引

    続いて、政府の金融取引を見てみましょう。

    図3 資金循環 フロー 一般政府日本銀行 資金循環統計 より

    図3は政府の金融取引のグラフです。

    1991年にかけて赤字主体から黒字主体へ変化していましたが、1992年からは急激に赤字主体に転じています。

    2006~2008年にかけては、負債がほぼ増えない代わりに、金融資産が減ることで赤字主体となっているタイミングがありますね。

    2020年にはコロナ禍の影響と思われる大きな負債の増加がみられます。

    1992年~2005年ころに大きく赤字主体となっている時期が正に日本が他国よりも政府の負債が極端に増えた時期です。

    人口1人あたりの政府負債で見ると1992年で20,000$程度でしたが、2005年には65,000$程度に達し他国よりも大きく増大しています。(参考記事: 政府の「負債」はなぜ増える?)

    この時期は他の主要国の政府ではそれほど負債を増やしていませんが、日本だけが増やしていたようです。

    日本の政府はこの時期に増えた負債の分ずっと嵩上げされた状態が続き、昨今の「国の借金1人あたり〇〇万円」という状態に繋がっているわけですね。

    ちょうど今まで見てきた企業や政府の挙動とも合致します。