1. 企業の金融取引

    続いて、企業の金融取引について見てみましょう。

    図2 資金循環 フロー 非金融法人企業日本銀行 資金循環統計 より

    図2が企業の金融取引のグラフです。

    企業は1997年まで赤字主体でしたが、1998年以降で黒字主体に変化しています。

    傾向から4つの期間に分けられそうです。

    1990年までは、金融資産が増加し、それ以上に負債も増加しています。

    1991年から1997年までは、金融資産が減少あるいは増加量が微小になり、負債の増加額も極端に減少します。

    1998年から2012年までは、金融資産が増えたり減ったりする一方で、負債が減っています。

    2013年以降で、金融資産が増え、負債も増える状況になっていますが、金融資産の増加量の方が多く黒字主体のままです。

    家計と同様に、2000年から2010年頃にかけて負債を減らしている期間があるのが興味深いですね。 これはおそらく、バブル期に負債を過剰に抱え込んだ反動とも捉えられるかもしれませんね。

    今後他の国との比較をご紹介しますが、特に1998年~2012年の負債を減らすという挙動が極めて特殊と言えそうです。