シャッター通りに活気を呼び込んだワンダーマーケット

新町商店街は、全長300メートルもある立派なアーケード商店街。最盛期は、ずらっと店舗が続き、ものすごいにぎわいだったといいます。しかし、現在はほとんど営業する店がなく、シャッター通り商店街と化しています。そんな状況を見て、宮田さんは活気ある元気な通りにしたいと仲間と立ち上がりました。とはいえ、イベント運営のノウハウなどなく、あるのは熱意だけ。

「初めてのときは30前後の出店者さんを集めることができました。自分で作った野菜を持って近隣のマルシェに出店して、まわりの出店者の方々に声がけをしたんです。手作りの、しかも初めてのマーケットだったので、集客も未知数。初期の出店者の方々には、なんとか熱意で集まってもらったという感じです」

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(画像=『cazual』より引用)

そんなワンダーマーケットには、“手作り”、“ていねい”、“オーガニック”といったキーワードがぴったりの商品が並びます。定期的に開催することで徐々に知られるようになり、京阪神のショップや作家が50店舗ほど集まるようになっていきました。

「コロナ前までは毎月第4日曜に開催していて、1000〜1500人くらいのお客さんが来てくださるようになりました。出店者さんからの評判も上々です。お客さんと顔を突き合わせてコミュニケーションが取れるので、売りがいがあると。8割はリピーター出店してくださっています」

いまでは、市内だけでなく市外からもたくさんの方が訪れる、福知山を代表する人気イベントになりました。

「昔の新町商店街は、何でもそろう一大商店街だったらしく、相当にぎわっていたそうです。当時を知るおばあちゃんから、昔を思い出すようやわぁと言われました。出店者の方と近所のおばあちゃんが話をしているのを見るととってもうれしくなりますね」

コロナ禍に入り、イベントは休止していたようですが、5月から不定期開催という形で活動を再開しています。

「夢へのチャレンジを支援したい」と商店街でレンタルスペースも運営

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(画像=アーキテンポの店内の様子。自分たちでリノベーションして作り上げた。、『cazual』より引用)

また、ワンダーマーケットでは新町商店街にある元紳士服店の空き店舗を使い、「アーキテンポ」というキッチン付きのレンタルスペースも運営しています。将来的にお店を持ちたい方が本格開業の前のテスト営業の場として活用されています。

「製麺所をやっている方が、試験的にアーキテンポでラーメン店を開き、お客さんをつかんで、駅前に実店舗をかまえる準備を進めている事例もあります。お菓子屋さんやBARもありました」

ワンダーマーケットで縁ができたショップさんや作家さんにチャレンジの場としてアーキテンポを使ってもらい、ゆくゆくは新町商店街の空き店舗に入ってもらうことを夢見ているそうです。

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(画像=壁にはクラウドファンディングで支援してくれた方々の名前が記載されている。、『cazual』より引用)

最後に、移住者の立場から見た福知山について尋ねると、

「予備知識なしで移住してきましたけど、意外と福知山って都会なんだなと思いました。家から駅前の都市部までは車で15分。駅周辺はちゃんと“街”ですし、買い物で困ったりはしません。福知山で十分楽しめるので、もう都会の生活には戻れないなと思います」

今回の取材中も、たくさんの若い方がワンダーマーケットのことを話題にしていて、「福知山にもおしゃれなイベントができてうれしい」と口にしているのが印象的でした。