言うまでも無くライブ配信は同期コミュニケーションで、Youtubeは非同期コミュニケーションだ。
もちろん、だからYoutubeや録画した動画が優れていてライブ配信は劣っているといった意味ではない。Youtubeで動画を作るのが得意な人もいれば、ライブ配信でファンとリアルタイムでコミュニケーションを取ることが得意な人もいる、というだけの話だ。
筆者はタレントでもアイドルでもないが経営者として情報発信をする必要がある。動画は得意ではないので現状では執筆(文章・テキスト)に特化している。手段は以前ならブログ、現在はウェブメディアだ。他にもインスタグラムならば写真がメインになる。文章も写真も非同期コミュニケーションだ。
テキスト・動画・写真(画像)・音声と情報発信のコンテンツは様々にあり、同じ方法でも同期・非同期に分かれる(YoutubeとSHOWROOMが全く違うように)。
発信手段はライブ配信の以外にも各種のSNS・Youtube・ブログなど様々にある。SHOWROOMを使うようなアイドル・ミュージシャン等は情報発信が極めて重要だが、どれを使うか、どう使い分けるか、どう組み合わせるか、自身の得意分野やターゲットから慎重に考えれば良い、という説明になる。
とはいえ、その中でも生放送であるライブ配信を頻繁に行えば負担が大きいのは当然で、だからこそライバーの収益化はSHOWROOMにとって極めて重要だ。ライブ配信を芸能活動と考えれば上手く行かずにやめてしまう方が普通で、それ自体は仕方がなくおかしい事でもない。
ただ、ライバーが継続して活動することや儲かるかどうかはSHOWROOMの収益と直結する。そのためにSHOWROOMが出来ることはもっとあるはずだ。ライバル企業が実践している手法で、すぐにでも取り入れたらいいのでは?と思うものもある。
17Liveの「アーミー」という福音ライブ配信アプリの17LIVEには、アーミーという仕組みがある。単発の有料ギフトとは違い、「アーミー」は特定のライバーに毎月一定の料金を払うファンクラブやパトロンのような仕組みだ。金額は一番安いもので980円から、様々なランクがある。ライバーはアーミーだけが見られる「アーミー限定配信」を行うなど特別扱いも可能となっている。
わざわざお金を払って応援してくれるリスナー、ということでオープンに話せないことを話したり、アーミー限定配信で特別に力を入れたコンサートを行うなど、通常の配信と使い分ける人も多いようだ。アーミーを一定期間継続した人に特別なサービスを提供するなど、独自に特典を準備しているライバーもいる。当然、ライバーにとっては単発のギフトよりも安定した収入になる。
リスナーもわざわざお金を払うことから、よりライバーへのコミットも上がる。この効果は筆者も執筆指導を行う月額制の勉強会(オンラインサロン)を開催しているのでよくわかる。距離が縮まるのはサービスを提供する側だけでなく、される側も同様だ。
筆者のような勉強会ならば、せっかくお金を払うのだからと学びに力を入れる人は珍しくない。スポーツジムへの入会と同じ効果だ。17LIVEのアーミーならば、せっかくお金を払ってアーミーになったのだから配信を見よう、リアルのコンサートやイベントを開催するなら見に行こう、とまさにファンクラブ的な効果が生まれる。
これは非常に優れた仕組みでよそも真似すれば良いのにと思うが、SHOWROOMを含めて実施していないアプリの方がおそらく多い。実現をしようとすればSHOWROOMであれば協力関係にあるAKBグループや坂道シリーズのファンクラブと競合してしまうなど制限はあるかもしれないが、SHOWROOMとリスナーとライバー、すべてにメリットがある仕組みだ。
資金調達を繰り返すSHOWROOMに求められる「自立」。SHOWROOMは2022年3月に会員登録者数が590万人を突破と各種のリリースにあるが、アプリの評価で極めて重要なDAU(デイリー・アクティブ・ユーザー、1日あたりの利用ユーザー数)等の指標は公表しておらず正確な数字は確認は出来ない。