ライブ配信はライバーの負担が大きく収入にならない。~倉持由香のピラミッド理論~
メリットもデメリットも、強みも弱みもあるライブ配信だが、ライブ配信は生放送のフローだけという話はライバーに時間や体力の負担として重くのしかかる。AKB48の大西桃香さんが600日以上毎日配信したという話を書いたように、当たり前のように毎日何時間も配信しているライバーも多いが、何時間もスマホの画面を見ながら配信をして疲弊しないわけがない。
実際いつの間にか配信を辞めてしまっているライバーは少なくない。もちろん、配信が大変でもそれが集客や収益につながれば仕事として継続すると思うが、収益と言えるほど稼いでいるライバーはごく一部だろう。「一部のライバーは無名な人でも数百万から一千万、それ以上稼いでいる人もいる」と社長の前田裕二氏はインタビューで語っているが、言うまでも無くそういう人はさらにごく一部だ。
グラビアアイドルの倉持由香さんは「ピラミッド理論」と呼ぶ独自のロジックで、集客とSNSの関係について以下のように説明する。
アイドルがイベントに100人のお客さんを呼ぶにはTwitterでどれくらいフォロワーが必要か分かりますか? 10万人くらいです。ピラミッドの頂点が実際に商品を買ったりイベントに来てくれる人、ピラミッドの一番下が単純に私の事を知っている人。だから頂点を増やすにはSNSでフォロワーを増してピラミッドの底辺を拡げないといけないんです。
(参照)想像を超えた「仕事論」の数々。倉持由香は間違いなく、売れるべくして売れた 新R25 2018.03.13
自らの体験に基づいた説得力がある説明で集客コンサルタントですか?と言いたくなるような話だが、これはSHOWROOMでも同様だ。フォロワーは1000人を超えれば多い方と書いた通り、この「相場観」は社長自身もインタビューで認めている。これくらいの数字だとライブ配信で稼ぐこともライブ配信を経由して自身のイベントやコンサートへ集客することも相当難しい。
これはライバーの責任ではなくライブ配信がまだ市民権を得ていない事によるものだ。今後大幅にユーザーが増えない限り、負担が大きく収入になりにくい状況はすぐには変わりそうにない。残念ながらこれもライブ配信の抱える問題の一つだ。
ミュージックビデオ・(MV)の元祖はビートルズだと言われている。
世界中で大人気となったビートルズは各国を訪れてプロモーションをすることが物理的に不可能となったため、撮影した映像を世界各国のテレビ局に送って流した。要するに本人がいなくとも映像を見られる仕組みとしてMVを作成・配布したわけだが、これを極限まで拡大したものがYoutubeだ。
ライブ配信アプリはネット経由で場所の制限こそないが、生放送である限りタイミングと視聴時間の制限はビートルズの時代のままだ。
「同期」と「非同期」2つのコミュニケーションと4つの手段。コミュニケーションには同期・非同期の二つがある。
電話や対面やZOOMなど相手と同じタイミングで行うものが「同期」、メールやLineや手紙など相手と違うタイミングでやり取り可能なものが「非同期」だ。
時代に関係なく同期・非同期は存在し、同期コミュニケーションは負担が大きい。ビートルズの例はまさにこの同期・非同期の話でもある。在宅通勤に慣れた人が通勤を面倒くさいと思う事も同期・非同期の話だ。