ライブ配信は楽しい。
ライブ配信アプリの否定的な側面ばかりを書いてしまったが、生だからこその強みは当然ある。存在意義と書いたコミュニケーションだ。録画された動画では得られない楽しさがあるからこそ、ライブ配信アプリは存在している。
筆者はライバーとしての活動は全く行っていないが、唯一それに近い体験がニコ生動画への出演だ。出演者が生放送でトークをする、リスナーは放送を見ながらコメントを書きこむとそれがリアルタイムで画面に流れる(いわゆる弾幕)、これはライブ配信アプリとほぼ同じ仕組みだ。
筆者は以前、著名プログラマー・小飼弾氏のニコ生動画の番組に招かれてお金に関する話をした。
生命保険の話をしている時に「MASTERキートンのこと?」といった弾幕が流れた。筆者はそれを受けて、そうそうMASTERキートンというマンガは主人公が考古学者で保険会社でも働いてて、マンガの冒頭ではこんな話があって……とそこからうまい具合に保険の話題はさらに広がった。リスナーのコメントが筆者の話を上手くアシストして拡げてくれた形だ。
番組終わりにはコメントを書いてくれた人が「MASTERキートンのコメントをひろってくれたから今日は満足」といった感想を最後に書き込んでくれた。それを読んで、ああ良かったとほっとした事も覚えている。何年も前に一回きりの出演だったが、ライブ配信でコメントを通じたコミュニケーションの楽しさを体感した経験でもある。
ライブ配信アプリでは、リスナーとコミュニケーションを楽しみながら配信をしているライバーは(多分)非常に多い。ライブ配信アプリはハードルが高いとしつこく書いたが、リスナーでもライバーでも配信にハマる人がいる理由は単純に楽しいから、という説明になるだろう。