リフレーミングの手法

リフレーミングの意味やメリットが理解できたら、実際に実践してみましょう。リフレーミングには、複数の実践方法があります。ここでは、リフレーミングの6つの手法を解説します。状況や相手にあわせて使い分けることを意識してみてください。

1:言葉

リフレーミングの1つ目の手法は、「言葉」です。今すぐにでも実践できる簡単な方法なので、まずは日常的に使う言葉から変えていきましょう。

例えば、「のんき」を「おおらか」と言い換えたり、「マイペース」を「慎重」と言い換えたりすることができます。マイナスイメージの強い言葉を使うと、相手や状況に対してそのイメージが自然に定着してしまいます。

この言葉はプラスに変換できているのかということを慎重にチェックし、発言に気を付けることから始めましょう。

2:As IF

リフレーミングの2つ目の手法は、「As IF」です。「As IF」とは、状況や相手の行動を「もし◯◯だとしたら」という問いを持つリフレーミングの手法のことです。

「As IF」は、相手の立場に立って物事や状況を多角的に見たいときに効果的。「もし先輩なら」「もしマネージャーだったら」と考えることで、新たな発想や適切な対策を行うことができます。

ただし、「As IF」を利用する際はマイナス面にフォーカスしないよう注意が必要。「もし失敗したら」「もし良い返事をもらえなかったら」と考えてしまっては、リフレーミングの効果を発揮できません。ポジティブに捉えるためのフレームワークだということを忘れないようにしましょう。

3:時間軸

リフレーミングの3つ目の手法は、「時間軸」です。気持ちを整理したり、何から手を付ければ良いのかを判断したいときに使える手法です。

例えば、ミスが発生したときは自分やミスを起こした相手を責めてしまいがちです。しかし、リフレーミングにより「今」に焦点を当てることができれば、トラブルが起きたことの報告が早かったために被害を最小限に食い止められたと考えられるようになります。その後の対応も前向きに検討できるでしょう。

時間軸を「未来」に置いたときには、将来のために今何をすれば良いのかがクリアになります。将来的に活躍するための修行期間だとリフレーミングすることができれば、現在の自身が置かれた状況も前向きに受け止めることが可能です。

4:解体

リフレーミングの4つ目の手法は、「解体」です。何かに行き詰まった際、頭のなかを整理するのに便利なリフレーミング方法で、物事の細部を分解して詳細に捉えることを指します。

例えば、自分の業務がなかなかうまくいかない原因を考えるには、「何かうまくいかない」と捉えるのではなく「なぜ」「どのような状況で」「どんなスキルが足りないから」うまくいかないのか、細部まで解体しなくては現状は変わりません。

実際に物事を解体して考えてみると、問題だと思っていたことが単なる思い込みだったことにも気付けます。

5:Want

リフレーミングの5つ目の手法は、「Want」です。「Want」はその意味通り、自身に「どうしたいと思っているのか」を問いかけるリフレーミングの方法です。

「Want」は、不安や緊張などの感情により、物事を前に進められなくなった場合に有効。どうしたいのかを自分に問いかけることで、その「Want」を叶えるためにどんなアクションが必要なのかが明確になるからです。

マイナスの感情に支配されていた状態を脱却し、理想とする未来を目指すためにポジティブな行動を起こすための手法です。

6:メタファー

リフレーミングの6つ目の手法は、「メタファー」です。「メタファー」には、暗喩・隠喩という意味があります。その言葉の意味通り、直接的ではなく間接的な表現で相手に伝える方法です。

「メタファー」によるリフレーミングでは、著名人の格言・名言を用いるのがおすすめです。ただし、相手がメタファーにより伝えたいことを理解できなくては意味がありません。そのため、メタファーはリフレーミングの手法のなかでは、やや難易度が高め。

うまく伝わっていない実感がある場合には、つまりこういうことを伝えたかったんだと補足をいれましょう。