【セクター別】アプリ自動テストへの投資額

次が最後の資料で、APACのセクター別にアプリの自動テストへの投資額を表にしたものです。MagicPodにとってはこの数字が各セクターでのビジネスチャンスになります。

出典:Research Nester

全てのセクターでのアプリの自動テストの市場規模は、2031年までに年平均20%以上に成長していきます。また、市場企業規模が大きく成長するため、それぞれのセクターが2021年以降の10年間でアプリの自動テストに投資する額も増えていくとのこと。

今後、市場規模は年平均23%成長し、それに伴って投資額も年々増えていくと予測されています。2021年から2031年までの投資額の合計値で一番少ないセクターは運輸物流セクターですが、それでも約22億ドル(約3000億円)の投資が見込まれています。

年平均成長率・投資額ともに1位の「IT&テレコミュニケーション」セクターでは、APACだけで約70億ドル(約9306億円)もの金額がアプリの自動テストのために投資されると予測されています。

今後10年でAPACにおけるアプリの自動テストへの投資金額は膨大です。さらに、モバイルアプリの自動テストへの投資もAPACのスマートフォン需要の拡大に伴ってかなり大きく伸びると予想されています。

自動テストは確実に、そして加速度的に導入が進んでいきます。「リソースを減らしながらもきっちりやる」という流れがあるので、それができない会社は競争力が保てない状態になるでしょう。

MagicPodの日本らしさが世界で強みになる

ここまで自動テスト市場のユーザー側について紹介してきましたが、ここからはMagicPodを中心としたテスト自動化ツールを提供する側について紹介します。

グローバル市場においてMagicPodが優位な点は「すでに日本でかなり大きな企業がお客さまになっている点」です。

現在のグローバル市場には、まだ自動テストのトッププレイヤーがまだいませんか、海外でも日本と同じように使ってもらえる可能性があります。

MagicPodは今後の数年が勝負どころだと考えており、まず英語圏の国全てをターゲットにして薄く広く使ってもらうことを目指しています。

その意図は2つ。1つは料金がローコストで使い始めのハードルが低いことです。もう1つは、開発がプロダクトドリブン(経営戦略としてプロダクトによる価値提供に重きを置くこと)なので、たくさんの人に使ってもらうことで製品力の向上につなげるということです。

CEOの伊藤も、MagicPodのプロダクトドリブンな成長を目指してかなりのペースでアップデートサイクルを回しています。日本のお客さまは双方向のコミュニケーションを密に取ってくれるので、プロダクトドリブンであることは文化的にも合っています。

海外ではテストの現場で1つのアプリに対して大きなアプリでも2、3人しかテスターがいないことがよくあり、当然バグは多くなります。一方、日本は文化的に小さな間違いもよしとしないところがあって、日本企業のほうが完璧なテストを求めるためのコストを割いていると言えるでしょう。

その結果、MagicPodはグローバルのツールと比較しても、ものすごく機能が多くなっていると思います。海外から見たら「そこまでやる!?」という水準となっており、日本らしいです。

ただ、​​バグが多ければエンドユーザーは簡単に違うアプリに移ってしまうので、海外の企業も現状のままでよいとは思っていません。インドのように人件費が安い国でもテストオートメーションを導入しようとしている会社はたくさんあります。

グローバルへ向けてもMagicPod最大の強みが「ノーコード」や「AI」であることに変わりはないのですが、今後はさらに、海外のユーザーから「そんな機能もあるの!?」と思われるようなことをどうやって伝えていくかが大事だと考えています。

グローバル市場ではどの国、どの文化でも快適に使えるようにすることが求められますが、それをうまくやっている自動テストを提供している企業は今のところありません。MagicPodが評価されるためには、とにかくお客さまに使っていただく必要があります。

ビジネスサイドの私としても、お客さまと話してよさを宣伝するというのを続けていきます。しっかり宣伝してしっかりコミュニケーションが取れれば、「さすが日本製品。ちゃんとしてるな」と思われるようになると考えています。