テストの何%をQAチームが担っているのか?

次に「テストの何%をQAチーム(品質管理を担当するチーム)が担っているか」というデータを見ていきましょう。

出典:PractiTest Ltd.

QAチームやQA担当者が全てのテストを担っている企業の割合が2020年では10%、2021年では15%、2022年では18%となっており、年々増えているのが分かります。

増えている要因として、「コンプライアンス管理」「より早いリリースサイクルが求められてる」といった理由が挙げられ、それらによって専任担当者の必要性が増しています。

同じアンケートでは全ての企業が「正しいツール選択のために専任のQAメンバーを置いている」と回答。より多くのテストプロセスを早く、少ないマージンオブエラー(安全域)で効率化することを企業が期待しているのがうかがえます。

数カ月前まで素人だった僕は「QAチームを置く=手動テストが増える」と捉えていたのですが、むしろ逆でした。

技術が進歩し、ユーザーにとってアプリやWebサービスを問題なく使えることが当たり前になり、バグや不具合を残したままサービスをリリースしてしまうリスクへの考え方がよりシビアになってきた中で、専任の担当者に正しいツール、正しい自動化を選択してもらうため、QAチームを置く企業が増えています。

アプリのテスト自動化のグローバル市場

次にアプリのテスト自動化のグローバル市場に関するデータを紹介します。

出典:Research Nester

今後10年でアプリのテスト自動化のグローバル市場は6倍以上に成長し、世界のアプリ市場は2031年に1000億ドル(およそ13兆円)を突破すると予測されています。なお、2022年現在は2兆6700億円です。

ここまでアプリのテスト自動化の市場が急拡大しているのは、爆発的に増えているアプリ需要に対応するため、AIを活用したコードレスツールなどさまざまなテスト自動化が必須になっているからです。

5年前までは自動テストがなくても市場の規模に対応できたのですが、現在は自動テストをうまく使いこなせないと、現在の市場でポテンシャルを発揮できない状況になっています。

今後はテストを自動化しないとリリースサイクルやコンプライアンスに対応できず、生き残っていけません。さらに、継続的インテグレーション(CI)が当たり前になっていく中で、より複雑なアプリが増えて自動化の需要が高まることが予測されています。