アプリのテスト自動化のアジア市場

次にグローバルからAPAC(アジア太平洋地域)におけるアプリのテスト自動化市場を紹介します。

出典:Research Nester

APACは今後10年で8倍以上成長すると予測されています。グローバル市場の年平均成長率が20.6%であるのに対して、アジアの年平均成長率は23.2%になるとのこと。

また、2021年では5000億円程度だった市場が、2031年には3兆9000億円まで急拡大することが見込まれています。

グローバル市場の中でもAPACが突出しているのは、中小企業(SME)の成長です。アジア市場では2021年のアプリテストの自動化市場において大企業のテスト自動化の需要は58%で、中小企業は42%でした。これが2031年までに、中小企業が45%の需要を担うと予測されています。

3%の変化は一見すると小さいのですが、グローバルで爆発的に成長するアプリテスト自動化の需要の中で、中小企業が需要を引っ張るのはAPACだけで、ほかの地域は中小企業のシェアが横ばい、もしくは下がると予想されています。

つまり、APACでは中小企業のニーズが1つのドライバーになる可能性があるということです。

動的テスト・静的テストの市場規模

次に自動テストをDynamic Testing(動的テスト:実際に動かして検証すること)とStatic Testing(静的テスト:コードチェックなど、動かさずに検証すること)に分けたデータを紹介します。

出典:Research Nester

バーグラフで見られるように、Dynamic Testing、Static Testingともに大きく市場規模が成長することが予測されています。

パイグラフでは市場におけるシェアを示していますが、2021年にDynamic Testingが44%を占めていたのが2031年には47%、2035年にはStatic Testingと50:50になるとのこと。

Dynamic Testingのパイが大きくなる要因としては、アプリのリリース・アップデートのサイクル、セキュリティアップデートなど、今後さらに早いペースでの精度が求められるようになることが挙げられます。

Dynamic Testingなしではアプリなどを開発できない状況が続いたので、Dynamic Testingの平均成長率は現在約20%のところ、今後はおおよそ年25%に、一方Static Testingの年平均成長率は現在約20%のところコストカットによって23%になると見込まれています。

Static Testingによって85%のエラーを最初に検出できるという統計もありますが、今はそれ以上にアプリのリリースサイクル・アップデートのサイクルが早まっている傾向にあります。

Dynamic Testingでプログラムを回してテストする需要が増えているので、Static Testingよりも急拡大するという予測も。